サンスター オーラツー presents J-WAVE LIVE 2000+9(2日目) @ 国立代々木競技場第一体育館

サンスター オーラツー presents J-WAVE LIVE 2000+9(2日目) @ 国立代々木競技場第一体育館 - 木村カエラ木村カエラ
サンスター オーラツー presents J-WAVE LIVE 2000+9(2日目) @ 国立代々木競技場第一体育館 - トータス松本トータス松本
サンスター オーラツー presents J-WAVE LIVE 2000+9(2日目) @ 国立代々木競技場第一体育館 - レミオロメン/吉井和哉レミオロメン/吉井和哉
昨日に続いて、2日目を迎えた『サンスター オーラツー presents J-WAVE LIVE 2000+9』。入り口には今年で10周年を迎えるこのイベントの歴史を振り返る写真パネルが飾ってあったり、メインナビゲーター秀島史香によるバックステージでの生インタビュー映像を流すなどラジオ局主催ならではの見事なつなぎで転換時も一時も目を離せない見所が満載! 本日2日目には絢香、大塚愛、木村カエラ、トータス松本、レミオロメンの常連組に加えて今年初登場となった吉井和哉の計6組が出演。1組ずつレポートしていきます!

■木村カエラ
本日のトップバッターを飾ったのは、木村カエラ。えんじ色のショートパンツに、マイケル・ジャクソンの満面の笑顔と「Thriller」というロゴがプリントされた白Tシャツに黒のスニーカーという至ってシンプルだけど、マイケルの顔が妙に主張してるというカエラちゃんらしいセンス抜群のスタイル。小走りにステージに現れるといきなりロックモード全開で“BANZAI”“THREE CLIMBER”とアッパーに攻め立てていった。軽やかにリズムをとりながら手拍子を求め、ステージを縦横無尽に行き来して、あっという間に会場内を熱狂の渦へと連れていく。そんな攻撃的な様子から打って変わって“どこ”をマイクをしっかりと握り締めながらただ一心に歌い、“Butterfly”で優しく柔らかな表情を見せながら、しっかりとボーカリストとしての自我を覚醒させていく。本人も「こういうイベントで“どこ”や“Butterfly”みたいな曲を歌うのが楽しみだったんです!」と言っていたように多種多様のアーティストが出演するイベントで自らの胸の内を切々と歌い切った彼女の姿がより一層逞しくみえた。ラストは“リルラ リルハ”“Magic Music”で、場内をテンションアップさせ投げキッス&深い一礼でステージを後にした。

■大塚 愛
このイベントの常連でもある大塚愛は、ジーパンに赤いカットソーというシンプルな出で立ちで登場。「元気いっぱいのノリの良い大塚 愛」というイメージを覆すような“One×Time”“君フェチ”といった横ノリのミディアム・ナンバーをしっとりと歌い上げて、まずはオーディエンスにしっかりと今の大塚 愛をアピール。続く2曲でも“大好きだよ。”“愛”といったバラード・ナンバーで攻め、徹底的にシリアス・モードに突入。手を左右に扇ぎながら、暑い夏をクールダウンさせるかのように会場もじっくりと聴き入った。そして、あっという間に時間は流れラストでようやくいつものはじけた大塚 愛が顔を見せた。ステージを左右に行き来し、駆け回りながら元気にポップ・ナンバー“バイバイ”を熱唱。これまでの大塚 愛のイメージが良い意味で崩れた良いライブだった。

■吉井和哉
今回、J-WAVE LIVEには初登場となる吉井和哉。彼が6月から行ってきたライブツアー『宇宙一周旅行』の実質最終日となったこの日。このバンドメンバーでライブをやるのはこれで最後なのか…は分からないが、とりあえずアルバム『VOLT』に纏わる一連のライブは見納めということで、約1ヶ月ぶりとなる再びの代々木でのパフォーマンスだ。“ビルマニア”“くちびるモーション”とアッパーにアゲて行きつつも、吉井はどこまでも自虐的。「全然ヒット曲とかないんですけど…いい曲もあるので」と苦笑いすると、会場からはあたたかい拍手が沸き起こり、「みんな、あたたかいですね〜」としみじみ。しかし、“CALL ME”“シュレッダー”の流れで腹の底から響くようなバンドサウンドの威力にオーディエンスは完全ノックアウト状態。微動だにせず動けないくらいの衝撃を受けていたようだ。真っ直ぐに突き上げた拳の力強さに清々しい気持ちにさせられる“ONE DAY”。この曲で今日はレスポール・ギターを使用。13日に逝去したレス・ポールを悼むかのように最後にギターを高く掲げたのが印象的だった。そういえば、今日の出演者でただ一人、今日が終戦記念日であることに触れていたのが吉井だった。「さわやかな曲で終わるわけにはいかない、チャートに入るような曲じゃないけど聴いてください」といって始まったラストの“恋の花”は、今の吉井和哉へと脈々と流れ繋がってきた血のような歌であり、忘れてはならない痕を心に刻み付けるような、この日に相応しい曲だった。

■トータス松本
一昨年はウルフルズとして、昨年は奥田民生とのスペシャルユニット「奥田民生 with トータス松本」として出演したトータス松本が、今年はソロとして登場。ステージに登場するやいなや被っていた帽子を脱ぎ一礼。個人的にはフジロックの時に見て驚いたのだが、精悍な短髪をお披露目。本当に良く似合っている。ソウルフルなピアノが鳴り響く中、“エビデイ”で緩やかに幕を開けた。後のバックステージインタビューで「すべてが1/4のような感じがする」と語っていたけど、《ミュージック ミュージック/それは僕の 心の鼓動》と力強く歌う“ミュージック”を聴いていたら、彼の歌魂は一人になってより熱く、生々しく伝わってくるような気がした。でも、「なんとなく成り行きでソロをやっているので、これからどうなるんでしょうか?」と本人がオーディエンスに問い掛けるくらい、これからのソロ活動を本人も予測できないでいるのが事実なのかもしれない。「清志郎さんやマイケル・ジャクソンも目一杯音楽を愛してきた人。だから、僕も精一杯やるだけ」と語り、《何もかも 間違いじゃない/何もかも ムダじゃない》と自らを奮い立たせるように“明星”をラストに力一杯歌った。これからのトータス松本の活動を会場全体が後押しするように説得力を増して響いた。

■絢香
続いて登場したのは、年内いっぱいで無期限の活動休止を発表している絢香。ステージに現れるとともに会場からは温かい拍手が沸き起こり、さらにピアノの旋律で“三日月”が始まることが分かると大歓声が起こった。伸びやかで芯のある歌声に一瞬にして会場が聴き入る。そして、それまでのしんみりした様子が嘘のように「こんばんはーー! 絢香でーーーす!」と勢いよく挨拶をすると“おかえり”へと続いた。デビュー以来、このイベントに毎年出演している絢香だが、一番最初に出演した時の緊張が蘇えったり、去年の自分や一昨年の自分と比べて成長を感じたりと、色々と感慨深いことも多かったようだ。そして、「私の好きなマイケル・ジャクソンの曲を歌います」と“Human Nature”のカバーも披露し、会場を沸かせた。「ここから盛り上がって行きましょー!」と手を挙げて手拍子で会場を煽ると“Real voice”でパワフルな歌声を聞かせ、あっという間のラスト。「今の自分にぴったりな曲です。何を犠牲にしようとも自分らしく生きたいという想いを込めた歌です」とピアノ伴奏のみをバックに活動休止前ラスト・シングルとなる“みんな空の下”を凄まじい求心力でもって歌い上げる。生きることの意味を自らに訴えかけるような圧倒的な力が宿っていた。

■レミオロメン
2日目、トリを飾るのはレミオロメン。もう、ライブでの鉄板曲揃いの完璧なセットリスト! 神宮司が左右に手を振りかざすと、場内一体となって配られていたうちわを左右に扇いで盛り上がった“南風”でスタートし、ノンストップで“雨上がり”“スタンドバイミー”と続くと、観客が扇ぐうちわの風で体育館内にものすごい上昇気流が起こっている! 今日は意外にも夏フェス初日だというレミオロメン。「久々のライブだから、楽しい選曲でできればと思って…」と言っているだけのことはある。飛翔するような勢いに満ちた楽曲から一転、名曲“3月9日”や力強い歌を聴かせてくれた“もっと遠くへ”も素晴らしかった。ベスト盤の発売をきっかけにこれまでの活動を振り返り、ここから新たに始まる彼らの再出発の曲となる最新シングル曲“Starting Over”を演奏。「長いトンネルに入っていた時期もあったけど…」と語っていた彼らが、それを乗り越えていった力を武器にまた走り出していく。お馴染みの「OK!」コールが沸き起こった“明日に架かる橋”、アリーナ一体を淡いピンク色に染めた“Sakura”でライブは終了。

そして、アンコール。レミオロメンのメンバーが再びステージに現れ、藤巻が「アンコールもスペシャルにしたい!」と語リ出す。「今年で30歳になる年なんですけど、僕たちの世代のロック・ファンならば分かると思うんですけど、10代の頃に影響をうけた曲をカバーします。高1の時にコンビニでバイトをしていたんですけど、そのバイト先の有線でかかった時に一瞬にして心を掴まれた曲で、そのアーティストの存在には、本当にたくさん影響を受けました。今でもリスペクトしています」と続け、なんとTHE YELLOW MONKEYの“JAM”をカバーすることに! 藤巻が吉井和哉をステージに呼び込むと「唯一のヒット曲です」と照れくさそうに自らの楽曲を紹介する吉井。藤巻は「いやいや、たくさんヒット曲あるじゃないですかー」とフォロー。そして、レミオロメンの演奏をバックに“JAM”を藤巻と吉井が交互で歌いカバーするという、贅沢すぎるフィナーレで会場はクライマックスを迎えた。最後に吉井と藤巻が熱い抱擁を交わし、ライブは終わった。

明日は最終日。10周年を締めくくる明日は一体どんなスペシャルなパフォーマンスが繰り広げられるのか? 明日のレポートもお楽しみに!(阿部英理子)
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