DOPING PANDA @ ZEPP TOKYO

今年6月からスタートした、トータル40本以上に及ぶ『DOPING PANDA JAPAN TOUR 2009』。そのロング・ツアーもいよいよ終盤に差し掛かった今宵のZEPP TOKYO公演。小雨が降りしきるあいにくの空模様にもかかわらず(かなり寒かった!)、中には東京テレポート駅から半袖でダッシュするキッズもいて、ZEPPのフロアは大勢のメイニアたちでスシ詰め状態となった。

19時を少し回ったころ、場内が暗転。躁的なダンス・ビートと大喝采のなか、Hayato(Dr&Cho)、タロティ(Taro Houjou/B&Cho)、そして“ロックスター”ことYutaka Furukawa(Vo&G)が登場。タロティ&HAYATOはカラフルなTシャツ、スターはシックなジャケット姿だ。スターを中心としてほぼ横一直線に陣取り、息を合わせてオープニング・チューンが鳴らされると、一気にステージ前へ押しかけるオーディエンス! 柵前で撮影していたカメラマン・橋本 塁も危機感を感じたのか、たびたび後ろを振り返っていたくらい、スゲェ勢いでヒート・アップするメイニアたちである。<ミラクルを起こすつもりさ>と歌詞を変えてみせたり、「トーキョー!!」と叫んでさらに狂騒を煽るロックスター。ホーム・グラウンドでのライブとあって、その表情には気張ったところがなく、実に楽しそうな笑顔だ。

「帰ってまいりましたトーキョー! 俺たちは今から“ホンモノ”ってやつをですね、ここトーキョーで、俺たちのホーム・グラウンドで思うぞんぶん見せたいと思うんで、期待だけしてくれ!!」とMCでも気を吐くロックスター。「長い長いツアーがもう終わりに近づいていて、いろんなことを考えながらツアー回りました。“何者か”になろうと思って回ってきたんで、ものスゴいパワー・アップしたところ見せられてると思うんですが、いかがでしょうか?(「イェー!」と激しく同意する客席)。これは自分自慢です(笑)。いろんなドーパンをこれからも見せようと思ってますんで、最後まで楽しんでください!」。

新旧と緩急を巧みに織り交ぜたセット、曲調と絶妙に同期したライティング、ミッド・チューンでいつになくじっくり聴かせるブロックもあって、ライブは終始バンド主導で進行。そう、この夜は特に、ドーパン自身がステージ全体を俯瞰して手際よくプロデュースしていた印象があった。一方で、そのことによって、以前のような“がむしゃらさ”みたいなものがいくぶん減退していたようにも感じられたのだけれど、トータル的な完成度/安定感でいえば、もう文句なしに過去最高値だった言えるのではないか。Furukawaの志向する“プロフェッショナルなエンターテインメント”というものが、またひとつ完成に近づきつつあるのだろう。スター自身、大きな手ごたえを感じていたようだ。「長いツアーだったけど、疲れとかはなく本当に充実してます。たしかにバンドっていうのはどんどん成長していくんですよね。ある1名を除いて……違うんだよ、タロティははじめっからスゴいんです! だからそのぶん伸びしろが少なかったんです。で、ヤンキースに残るんですか?」(常に落としどころとして利用されるタロティであった・笑)。

「お前らZEPPにムチャクチャしにきたんだろ? 期待だけしててくださいヨロシク!!」と、ライブ終盤は狂騒的なダンス・タイムへ! 会場の熱量を文字通り無限大にまで高めた、ドーパンの真骨頂といえる圧巻のフェーズだった。アンコールでは、12月9日に新代田FEVERで行われる年内最後のワンマン(“WITHOUT COMPUTER”と銘打たれたスペシャル・ライブ!)の予告編的に、3人だけのバンド・サウンドで懐かしのナンバーも披露。さらに数曲畳み掛けて再びZEPPをクライマックスに持ち上げ、「スゴいとこまでいきました! ありがとう!!」と最後にFurukawa。11月27日のZEPP OSAKAファイナルまで残すところあと4本。参戦予定の皆さま、マジ期待だけしててください!(奥村明裕)
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