OVERGROUND ACOUSTIC UNDERGROUND@Shimokitazawa GARDEN

昨年11月に発表された2ndアルバム『New Acoustic Tale』のリリース・ツアーが、下北沢GARDENでの2デイズでファイナルを迎える。今夜はその2日目(奇しくもMARTINの27回目の誕生日!)、本当にこれでラストだ。GARDENには人員オーバーなんじゃないかと思うくらい多勢のオーディエンスが詰めかけ、前に進むのもひと苦労な大盛況だ。

定刻から10分を過ぎた18時40分。ステージにTOSHI-LOW(Vo&G)、MAKOTO(B)、RONZI(Dr)、KOHKI(G)、KAKUEI(Per)、そしてMARTIN(Vo&Vio&G)の6人が登場。喝采の中、おもむろにKOHKIがアルペジオを奏で、そこにTOSHI-LOWのポエトリー・リーディングが重なる。そう、“Reportage”から幕開けだ。途中、フラメンコ調の激しいリズムがフロアを揺らし、深紅のライティングと相まって場内はみるみるうちにヒートアップ。高揚するオーディエンスに「ウェルカム!」とMARTINがひと言グリーティングして、ゆったりと“A Strait Gate”へ移行。フィヨルドの情景が喚起されるような豊かでフォーキーなアンサンブルが心地よく響き渡る。“Freight Train”では軽快なリズムが場内をワームフルな空気で満たし、続く“UKIGUSA”の、旅情感溢れるTOSHI-LOWの歌声がオーディエンスを丸ごと“ここではないどこか”へと引き連れて行ったのだった。

しばしのチューニング後、MARTINが流暢な日本語でMC。「みんな元気か? ようこそ、俺たちのツアー・ファイナルへ!今日はアットホームでいいよ。寝たりとか、トイレ行ったりとかね(笑)。最後までよろしく!」。そして“all the way”になだれ込めばフロアのクラウドがひと際大きく揺れ、前方では力強いコブシも突きあがった。実に伸びやかに、時に語りかけるように歌声を響かせ、自在にバイオリンを弾き鳴らすMARTINの恵まれた音楽的資質には、改めて感嘆せずにはいられない。

「いかがですか? 楽しい? よかった~、俺も楽しい!
今日でツアーもファイナルなんだけど、ちょっと寂しいね。いろんなところに行ったよ。とても幸せな1ヶ月だった。毎日ライブやって、打ち上げ行って、食べ過ぎて、飲み過ぎて、コンビニ寄って帰る感じ?」
と、しみじみMCするMARTIN。ブルー・アイドの端麗な容姿とカジュアルな日本語とのギャップに妙なオカシミが宿ってしまうわけだが(めっちゃ笑わせてもらいました!)、バンドにとって過去最長となる今回のツアーで得たものは決して少なくなかったようだ。それは、6人のバンド・サウンドを聴けば一目(聴)瞭然。素晴らしく息のあった、雄弁かつ精巧なアンサンブルで、ペーパーバックのページを繰るように聴き手を物語へと誘っていくステージングには、これまでとは比べものにならない説得力と包容力に満ちていたのだから。会場を盛大なハンド・クラップで包んだ“Thank you”に“New Tale”、そして燃え盛るようにエネルギッシュに畳み掛けた終盤の“Bamboo leaf boat”→“Dissonant Melody”のフェーズは本当に圧巻だった。

「『New Acoustic Tale tour』は終わるけど、俺たちはここで終わりじゃないよ。次のアルバム、次のツアーとやっていくから、見てて」(MARTIN)と自信も覗かせていたOAU。その言葉に疑いを挟む余地がないことは、この夜のライブが何よりも雄弁に証明していた。(奥村明裕)
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