なので最初はGOING。セットリストはこうでした。
1 センチメント・エキスプレス
2 ランブル
3 Heavenly
4 summer’s gone
5 my treasure
6 Holiday
7 トワイライト
8 listen to the stereo
9 上尾市立南中学校校歌
8曲目は新曲。4曲目は松本素生のソロ・プロジェクト、SxOxUの曲。9曲目は、昨年リリースされたドラム河野丈洋のソロ・アルバム『CRAWL』収録曲で、彼がひとりで弾き語りしました(本当に彼の母校の校歌だそうですが、言われなければそうとは思わないであろう、いい感じにメロディックな曲です)。
で。初期の名曲である1曲目が、松本素生とキーボードの二人だけでアコースティックに奏でられ、後半で他のメンバーがステージに現れて楽器を手にし、始まった2曲目も、初期の名曲で……と、聴いているうちに、気づいた。
解散の危機を経て、バンドがガッと固まって作品を作り、でもその後キーボード伊藤洋一が脱退し、松本素生と河野丈洋がソロをやり、というふうにいろいろあったのがここ2~3数年のGOINGだ、ってことはみなさんご存知だと思うが、おそらくその「いろいろあった」ことによって、明らかにバンドがよくなった。それがモロにライブに出ている。
で、ただ出ているだけじゃない。僕がこのバンドを初めて知ったのは10年くらい前だけど、最初に思ったのは、「今はすっごくいいけど、年食ったらきついだろうな」だった。青くて、みずみずしくて、キラキラしていて、純粋で美しいこの感じって、20歳そこそこの今だからいいけど、30超えてやってたら「サムい」とか「嘘っぽい」とか、そういうとこに着地してしまうんじゃないか。
と感じたのを思い出し、そして撤回したくなりました。今のほうがいいのだ。逆に、いろいろ経験して年を食った分、説得力が増している感じ。世間知らずのガキが歌ってるんじゃない感じといいましょうか。相変わらず青く美しくはあるんだけど、演奏自体は、昔よりも淡々としている気がする。で、その分、リアルになっている気がする。
特に松本素生。歌も、MCの時にチラッと口にするひとことも、いい意味でかわいい感じじゃなくなったというか、すごみのようなものがにじんでいる感じすらした。
なんか、とても納得しました。
で、サンボ。名古屋と大阪があるのでセットリストを書くのは控えますが、超満員ソールドアウトのクアトロ、あのサンボのライブ特有の「地下プロレス」「非合法集会」みたいな尋常ならざるテンションが、会場全体に渦巻いている。
なんで俺らのライブはこんなにお客が男ばっかりなんだ、と山口は楽屋で嘆いていたが、そしてそれを素生くんにMCのネタにされてもいたが、サンボのファンはいいファンだとほんとに思う。熱くて熱狂的なだけじゃなくて、ある意味クールで冷静なとこもすばらしい。
これ、この「サンボのファンはいかにすばらしいか」をテーマに、いずれちゃんと書きたいくらいです。というか、書こう。ブログにでも書きます。関係ないけど、あとPerfumeのファンにも、それに近いすばらしさを感じます。
話がそれた。そんなわけで、ハコのムードは最高だったんだけど、ステージもそれに負けていなかった。今のサンボのライブって、どんどん演奏主体、グルーヴ主体、楽曲主体、つまり音楽主体になってきている。ってバンドなんだからあたりまえじゃんって話だけど、つまり以前は「キャラ主体」「メッセージ主体」「思想主体」みたいなところも強かったわけです。
1曲ごとに山口が熱く長いしゃべりを入れ、客が往年のFMW大仁田厚のファンのように「ウォー!」と答え、それを受けてバンドが曲になだれこみ……みたいな手続きが、かつてのサンボのライブにはあったが、1年くらい前からそれが大幅に減り、その分、曲が増えた。で、演奏がシャープにグルーヴィーになり、山口の歌もどんどん強くなり続けている。要は、そういう手続きをしなくても、伝わるものになってきている、ということです。
こういうふうに、熱狂的なファンがついていると、ある種閉じた方向にバンドが向かっても不思議はないのに、逆にどんどん拓かれた方向へ向かっている。そういえば年末のCOUNTDOWN JAPANでも、大入り満員だったし、「こ、これワンマン?」っていうくらい熱狂的にウケていた。
みんな知ってるだろうからはっきり言うが、サンボは一度、いわゆるセールス的なピークを過ぎたバンドである。1stアルバムが予想以上にヒットし、2ndアルバムがどかーんと売れて、それ以降は下がって現在に至っている。しかも自然にそうなったのではなく、2nd以降の本人たちが、活動と作品を明らかにそういう「下がる」方向に向けた結果、そうなっている。だから、クアトロ超満員ソールドアウトって言ったって、かつて20万枚オーバーしたバンドなんだから、かつてと比べると寂しい事実なわけです。
しかし、そういう寂しさも、逆に「俺らはこれでいいんだ、ここではこんなに支持されているんだから」みたいな意固地なムードも、バンドにもフロアにも、全然なかった。むしろ、ここからまた何かでっかいことが起こっていきそうな、そんな爆発前夜みたいな、いいムードに満ちていた。
にしても、近藤&木内のリズム隊って、最強だと思う。いい意味でも悪い意味でも、山口はもう、他のリズム隊とはバンドやれないだろうなあと思います、観る度に。
特に木内。まるで、ドラムでしゃべってるみたい。あと、あの手首のやわらかなフォーム。一流の野球選手やサッカー選手って、プレイするさまを見てるだけで気持ちいいでしょ。あの感じがあります、この人のドラムには。(兵庫慎司)