ライブの幕開けに相応しい壮大なナンバー“Gift”のイントロをバンドメンバーが鳴らすと、白のスパンコール・ワンピと綿毛のようにフワリとした裾のワンピを組み合わせ、そのほかにも何重にも羽織り、白いオーガンジー地のサリーをまといながらステージに現れたChara。全身から振り絞るように甲高い絶叫を繰り出し、漲る力をオーディエンスに分け与えて一体感を生み出してく。そのままの勢いで“レモンティー”へ突入。ダンサブルなナンバーでステージを舞うように踊り歌って客席を煽動していく。
「楽しさはもっと倍に、不安なことや悲しいことは半分こにしてきましょう」と、オーディエンスとコミュニケーションをとりながら、ひとつひとつ共有していく。「失恋したことある?」と客席に尋ね、“ひこうき雲”を自らピアノを弾きながら歌って恋の終わりに向かう不安と彷徨う気持ちを分かち合う。そして続く“やさしい気持ち”で大きな大きな愛で包み込み、笑顔にさせてくれる。Charaが放つバイブと客席が生み出すバイブが同じだけの力をもって、互いに足りないものは補い合い、あり余るものは分け合うようにして信頼関係が成り立っているようだ。
Chara:「みんなはどう?最近。恋とかどんな感じ?浮かれ頭の人は?」
客席:「はーい!」
Chara:「いいなー!うつして、うつして!うつっていくから、浮かれ頭は」
という具合にCharaも客席からたくさんの愛を受けて、共に力へと変えているようだった。
後半はなんとメドレーで“call me”“Junior Sweet”“Happy Toy”“Duca”をバンドメンバー紹介を交えながら披露。“call me”での全身から湧き出るシャウトや“Junior Sweet”や“Happy Toy”の会場が一丸となった大合唱は本当に昂揚感に満ちた空間だ。そして、このMC。「『CAROL』買ってない人、買ってね。次が出ちゃうから。伝えたいことがあるから、作るんです。音楽の力を信じている人たちが集まったと思っているから。音楽って勇気をもらったり、助けてくれたし、大好きなの。あと人が好きなんだと思う。みんなそういう人たちが集まってくれているんじゃないかなと思っているんです。名前はチャラチャラだけど、私、真面目なのよ」。そう、Charaは音楽に対して愛情を注ぎ、音楽から愛情を受け、音楽と心から向き合っている人だ。だから、悲しみも辛さも乗り越えていかなければならないものはすべて歌に乗せて、逃げることなくありのままを歌い上げる。本編ラストで情感込めてピアノを奏で、歌い叫んだ“breaking hearts”は圧巻のラストシーンとなり、いつまでも鳴り止まない拍手が
響き渡った。
アンコールでは、バンドメンバー7人がCharaと同じ色違いの鳥のコサージュをつけて登場と思いきや、一人メンバーが増えている! なんと、テレビ東京系列の音楽番組『音楽ば~か』で共演中のふかわりょうがツアーファイナルのお祝いに駆けつけたのだ。花束を渡し、Charaとの共通点でトークを繰り広げ会場を沸かせてくれた。「最後に出発の歌を歌いたいと思います。独身の時は私、私、私ばかりだったけど、『私たち』って歌いたくなった歌です」と“Tiny Tiny Tiny”をしっとりと歌い上げた。これからCharaはまた新しい出発に向かって歩いていく。来年でデビュー20周年を迎えるという節目の年に、どんなことを私たちに見せてくれるのか。音楽に対してたくさんの愛情を注げるCharaだからこそできる何かを見せてくれるに違いない。(阿部英理子)
セットリスト
1.Gift
2.レモンティー
3.ミスターロンリー
4.エレガンス
5.ひこうき雲
6.やさしい気持ち
7.しましまのバンビ
8.LiLiCo
9.片想い
10.月と甘い涙
11.70% 夕暮れのうた
12.この遊びを恋とわらって
13.Charaメドレー
call me
Junior Sweet
Happy Toy
Duca
14.世界
15.眺めたい
16.I miss you
17.breaking hearts
アンコール
1.小さな手のひら
2.Tiny Tiny Tiny