定刻を少し回ったころ、満場のオーディエンスの大歓声を浴びてメンバーが登場。心なしか精悍さを増した表情で、“Sing Out Love”→“Higher”→“Farewell Blossom”といきなりテンション・マックスで疾走!
ギター&ボーカル・谷川は「エブリバディ、クラップ・ヤ・ハンド! いいね!」、「もっともっと! カモン!!」と果敢に呼びかけ、フロアの一体感をぐいぐい高めていく。ここ最近の谷川にはフロントマンとしての“豪胆さ”みたいなものが感じられて、観ていて頼もしいほど。普段の小動物のように大人しい彼からは想像もつかないような(失礼!)、アグレッシブなステージングだ。
バンド・トータルの印象としても、「うわ、また演奏うまくなってる!」と驚かずにはいられない。もともと若手の中では際立った演奏力を誇り、先輩バンドからも一目おかれてきたUNCHAINだけれど、この躍動感/安定感はどうだ。気負いや気後れなく、よりナチュラルなスタンスでパフォームすることでUNCHAINの楽曲の持つ本来的な高揚感がビビッドに伝わってくるのだ。デビュー時から観させてもらっている身としては、そのたくましい成長にしみじみ目を細めずにはいられなかった。
ひと息ついて、「東京のみなさん、いよいよファイナルですね!
こっちは気合い入っとるゾ!」とMCでも気を吐く谷川。「歌って踊って、めちゃくちゃになって帰ってほしいと思います!」「UP STREAM……ちゃうわ(笑)、USTREAMの向こう側の人も!」とアジテート。そう、谷川の言葉どおり、この夜のライブはUSTREAMで世界に生配信されていて、ウェブ上でも多くの視聴者が目撃しているのだ(あらためて、スゲェ時代だなあ)。中盤には「スペシャルなゲストを呼んでます!」と、先日待望の復活を果たしたala(アーラ)からふたりのボーカリスト=新井祐樹と佐藤誠士が登場!
2007年にリリースしたコラボ曲“We've Got Something”をコンビネーションもバッチリにプレイし盛大なパーティ・タイムを作りあげた。
さらに谷川、「どんどんいきますか! アゲていきますか!!」とアジり、「新曲持ってきました! 54曲のうちの大事な一曲です」と“Goofy”なる新曲を披露。これが、UNCHAIN流メロディック・パンクとでも言うような、力強い直線的な8ビートがハートを高ぶらせるグッソング! ライブでは欠かせないキラー・チューンとなるだろう。
「新しい作品が出ることが決まりまして、7月7日、七夕の日に3rdアルバムが出ます!」と嬉しい報告も飛び出し、「最後の体力振り絞ってかかってこいオマエら!」と本編ラストまで果敢にパフォーム。クアトロの熱気をどこまでもリフト・アップしていくのだった。
アンコールでは、ベース・谷がひとり遅れて登場。おもむろに被ってきたニット帽を取ると……なんと、坊主っ! わずかな転換の間に自慢のトサカをバッサリ刈られていたのでした(この日いちばんの盛り上がり!?)。さらなるサプライズが用意されていて、「幻の55曲目があるんですよ」と谷川に呼び込まれたのは、FRONTIER BACKYARD&チャーべ! 総勢8人でタワー・レコードのコンピレーションに提供した“Don't Stop The Music~NO MUSIC, NO LIFE.~”をプレイし、「あと一曲、聴きたい曲があるんですけど!」とTGMXのリクエストに応えて、FBYを交えたスペシャル・バージョンの“make it glow”! 再びala・新井も加わり、さらにTGMXが「LOW IQ 01、発見!」と「PUNKSPRING」帰りのイッチャンもステージにジョイン! と、半端じゃない盛り上がりでツアーはフィナーレを迎えたのだった。何はともあれ、タフな挑戦を十全にやり遂げたUNCHAINに心からの賞賛とエールを!(奥村明裕)
<Set list>
01.Sing Out Love
02.Higher
03.Farewell Blossom
04.Signs Of Spring
05.Summer Groovin'
06.Fly In The Blue Moonlight
07.Inspire of Life
08.departure
09.THE SONG RING OUT
10.Last Piece
11.We've Got Something
12.Goofy
13.Light Your Shadow
14.stillness in the wind
15.Life Is Wonder
16.Let Me Be The One
17.Gravity
18.Show Me Your Height
Encore
19.Don't Stop The Music ~NO MUSIC, NO LIFE.~
20.make it glow