京都音楽博覧会くるりが今年初めて開催する、朝霧JAMを除くとおそらく国内でこの夏(ってもう秋だけど)最後のフェスティバル、それが今日のこの『京都音博』。場所は京都駅から徒歩15分の公園なので、周囲はマンションやJRの社宅が建ち並ぶ住宅街、新幹線は見えるわステージ後方には京都タワーが建っているわという、フェスとしてはかなり特殊なロケーション。そういう場所なのででかい音は出せないという事情も含め、アコースティック寄りの音楽性の出演者は、くるり、Cocco、小田和正、元ジェリーフィッシュのジェイソン・フォークナー以外は我々にとってなじみのない、京都、沖縄、アイルランド、ルーマニアからの出演アーティストたち、全8組。正直言って「どうなの?」って思うところがいっぱいあったんだけど、行ってみたら、そして始まってみたら、驚くほどいいフェスだった。
まず行きやすくて便利だし、前述みたいな「街ん中」って環境も不思議な感じで気分よかったし、人はいっぱいなんだけど多すぎていづらいと思う局面がないし、初めて観るアクトたちはどれも音楽的に面白くて熱中させられるし。 あと何よりもよかったのは、何故自分たちがフェスをやるのか、フェスというものによってどういうことをしたいのか、という、「ただやりたかった」という以上の強い意志や思想が、つまり主催者のメッセージがはっきりと感じられる空間と時間だったこと。ってあたりまえじゃん、思想や意志がなきゃフェスにならないじゃん。そうなんだけど、ここまでそれがしっかりとメッセージとして感じられる場って、普段少ないってことが、このフェスを体験したことによってわかった。
大工哲弘の時と小田和正〜Taraf de Haidouksの時の2回、500円のビニールカッパじゃ太刀打ちできないほどの大雨が降って往生しましたが、それを補って余りあるプラスがある、ぜいたくな時間だった。退屈したアクトがいっこもなかった。不満があるとしたら、アルコール類の販売がなかったことくらい(持ち込むのはOKでした)。あと、こないだまでのツアーとほぼ同じ編成(ただしドラムのニャッキーがいなくてパーカッションで54−71のBOBOが参加)で、ツアーの時とは見事に違うライヴをやったくるりが最高すぎたので、もうちょっと聴きたかったことくらいでした。(兵庫慎司)