the telephones @ ディファ有明

the telephones @ ディファ有明 - 12/8 pic by 古渓一道12/8 pic by 古渓一道
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the telephones @ ディファ有明 - 12/10 pic by 河本悠貴12/10 pic by 河本悠貴
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※以下は、12月8日と10日、ディファ有明2デイズ両方のライブレポートです。

the telephonesにとって、この「SUPER DISCO Hits」は特別な意味をもったライブである。リリース・ツアーは対バンで周ることの多い彼らにあって、唯一毎年恒例で続けているワンマン・ライブだからだ。しかも、ライブ会場がちょっと変わっているのもミソ。08年はラフォーレ原宿、09年はディファ有明と、普段あまりライブが催されていない会場で、普段のライブではできないような企画や演出を盛り込んだ、エンタテインメント性あふれるライブを展開する……というのが「SUPER DISCO Hits」のコンセプトのようだ。今年はなんと12月8日と12月10日の変則2DAYS。会場は昨年と同様ディファ有明。2日とも趣向をガラリと変えたライブを行うということで、その違いを観にいってきた。まずは演出面について明記します。

「SUPER DISCO Hits 3!!!」(12月8日)
会場に足を踏みいれた瞬間、フロアの真ん中に設けられたステージが目に飛び込んでくる。その周りをぐるりと囲むオーディエンス。ステージの上には大きなミラーボールがひとつと、照明バーが4本吊り下げられている。普段はプロレス興行などをメインで行っているディファ有明。このステージ設計はプロレスのリングを意識してのことなのか……と勘ぐっていると、普段ここでアナウンスを務めているというリングアナの大川正也氏が登場。プロレスラーを紹介するときみたいなキャッチコピーを添えながら、メンバー一人一人を呼び込んでいく。そして、各々の入場テーマに乗ってステージに登場する4人。
ちなみにその内容をメモしていた範囲で登場順に紹介していくと、ノブ(Syn./Cho)のコピーは「そのプレイスタイルが嵐を呼ぶ平成の鉄砲玉」/入場テーマは“Get Wild”(TM network)、涼平(B/Cho)は「笑顔がニクい金髪野郎」/“CHA-LA HEAD-CHA-LA(ドラゴンボールのテーマ)”、誠治(Dr)は「ルックスだけはラテン系、体格はガテン系」/“とんぼ”(長渕剛)、石毛(G/Vo)「驚異のハイトーンボイス」/“You Give Love A Bad Name”(ボン・ジョヴィ)でした。そしていつもの円陣を組み、「アルティメット・ディスコォー!」という石毛のシャウトが場内に響きわたったところで1曲目の“Urban Disco”に突入!
ライブ中盤では、ステージ上にどこからか飛んできたスズメバチが落ちてくるハプニングも。ノブがスタッフにスズメバチを預けて事なきを得たが、そんな些細なシーンすらも、会場の天井上がりの盛り上がりを物語っているようで(恐らく爆音で気絶してしまったんだと思います、このスズメバチ)、おもしろい。
さらに「せっかく真ん中にステージがあるんで、こっからスーパーディスコにしたいと思います!」という石毛の宣言につづいて、“oh my DISCO!!!”ではステージが360度回転! エガちゃんダンスとロボットダンスを掛け合わせたようなノブのダンスが、それまで以上の切れ味で炸裂する!!
“HABANERO”では銀色の紙ふぶきが舞い、キラキラとした光で埋め尽くされた360度のフロアは、アンコールまでノンストップのダンスホールと化していった。

「SUPER DISCO Hits 4!!!」(12月10日)
この日は前方にステージ、後方は客席という通常のライブスタイル。フロアの中央には、中小のミラーボールが入った特大ミラーボールが吊り下げられている。ステージは大きな幕で覆われていて見えない。定刻から10分弱が経ったところで暗転。すると、ステージ前方のスクリーンに、今まさに楽屋からステージに移動しようとするメンバーの姿が映し出される。ステージ袖でアフロを被ってスタンバイする4人。……が、誠治の風貌に残りの3人がしきりに「何かおかしくね?」と突っ込みを入れている。というところで映像は終了し、スクリーンが上がったステージにメンバーが登場。1曲目“A.B.C.DISCO”へ雪崩れ込み!
石毛は1日目の水色のガウンから一転、ベルバラに出てきそうな金の装飾が施されたジャケットを着ている。ノブと涼平はいつものライブ衣装とさして変わらない。しかし、誠治だけが明らかにおかしい。1日目は普通だった髪型が、尋常じゃないぐらいに爆発しているのだ! ビートを叩くたびにモサモサと揺れるそのアフロヘアーは、ものすごい迫力。石毛が言うところによると、対バンなどでも何度も共演しているPOLYSICSハヤシの強い薦めでアフロにしたそう。メンバーからは「ラーメンズの片桐さんみたい」と言われていた。
その後もスペシャルな演出が続々と展開。後半のダンス・チューン連打の前には、ステージ後方に掲げられた「the telephones」横断幕が上がり、代わりに大型ヴィジョンが登場。ビビットな電飾がギラギラと点滅したり、PVが映し出されたりして、ディスコティックなムードをじりじりと高めていく。さらに“Monkey DISCOOOOOOO”では銀テープが舞い、アンコールの“Love&DISCO”では大きな風船がフロアに投げ込まれる。大きな風船が割れると中から無数のハート型の風船が飛び出し、フロアをカラフルに染め上げる。
ダブルアンコールの“Drums,Basses,Guitars,Keys,And Your Love And Voice”では、ステージ後方のビジョンにハート型の風船を掲げながらシンガロングする客席の様子がライブで映し出された。まさに石毛の「やっぱ最後は愛だよね」という言葉どおり、会場がラブ&ピース一色になったクライマックス。最後には、1日目と同様メンバー&オーディエンスによる記念撮影が行われて、2時間半弱におよぶ「テレフォンズ祭り」は大団円を迎えた。

……と、演出を列記しただけでもこれだけの文字量を費やしてしまうほど見どころ満載のライブ。まさに「今やりたいこと」と「やれること」をつめ放題つめ込んだみたいな、ハイライトだらけの2日間だった。演出に凝ったthe telephonesのライブは今に始まったことではないけれど、この2日間のライブで特に感じたのは、彼らの勢いにオーディエンスが確実についてきていたこと。純粋に音を楽しむだけでなく、演出もひっくるめて「the telephonesのライブでしか体験できないもの」を、この2日間のオーディエンスは確実に求めて、演出のひとつひとつを全身で楽しみ尽くしているような気がした。そんなファンの期待を一身に受け止めて、あらゆる方面で格段にパワーアップしたライブで応戦するメンバーの気合いもハンパない。そんなメンバーとオーディエンスの「熱」が相乗効果をうみながら未曾有の祝祭空間が構築されていくさまは、もう天っ晴れとしか言いようがない。

特にメンバー自身も「今年最高のライブ」と言っていた2日目は鳥肌もの。カッコよく決めるべきところで噛み噛みな石毛のMCや、ノブの鍵盤のミスタッチや石毛の弾き間違えといった、相変わらずの場面も何度か見られた。しかし、それらを凌駕して余りあるほどの……というか、そんな荒削りな部分もひっくるめてバンドの牽引力に変えてしまうような、堂々たるエネルギーに溢れていて、まばゆいほどだった。すでに飛ぶ鳥を落とす勢いの活躍をつづけているthe telephonesではあるけれど、そう遠からぬ未来にもっと多くのリスナーを巻き込んで、2010年の日本のロックシーンを背負って立つモンスターバンドになるだろう。お世辞じゃなく、そう思ってしまいたくなるような壮絶なライブだった。

なお、アンコールでは2日間ともに新曲“Punk Is Not Heavy Metal”を発表。これがまた、ヘビメタちっくなザクザクとした低音ビートからthe telephonesらしい光の世界へと一気に駆け上がる痛快作! さらに2011年一発目のライブとして、彼らの原点である北浦和のライブハウスKYARAでライブを行うことも発表された。小さなハコで攻撃的かつ希望にあふれたディスコ・ロックを叩きつける彼らはもちろんいいけれど、次はもっと大きなハコで、もっと多くのオーディエンスを幸せにしてほしい!という思いに強く駆られた、至福すぎる2日間だった。(齋藤美穂)

セットリスト
「SUPER DISCO Hits 3!!!」(12月8日)
1.Urban Disco
2.DaDaDa
3.sick rocks
4.My Girl
5.it's OK
6.Kung Fu Village
7.Baby.Baby.Baby
8.A.B.C.DISCO
9.High-Ho
10.2010
11.My Final Fantasy
12.Re:Life
13.SAITAMA DANCE MIRROR BALLERS!!!
14.oh my DISCO!!!
15.I Wanna Die
16.clashed mirror ball
17.D.A.N.C.E. to the telephones
18.HABANERO
19.Monkey DISCOOOOOOO
―we are DISCO!!!―
20.I Hate DISCOOOOOOO!!!
アンコール1
21.Punk Is Not Heavy Metal(新曲)
22.LOVE&DISCO
23.Hallelujah,Hallelujah,Hallelujah

「SUPER DISCO Hits 4!!!」(12月10日)
1.A.B.C.DISCO
2.My Girl
3.oh my DISCO!!!
4.Shit!Shit!!Shit!!!
5.electric girl
6.I Wanna Die
7.kiss me, love me, kiss me
8.Homunculus
9.2010
10.My Final Fantasy
11.Re:Life
12.panic disorder
13.I and I
14.with one
15.SAITAMA DANCE MIRROR BALLERS!!!
16.RIOT!!!
17.D.A.N.C.E. to the telephones
18.Urban Disco
19.HABANERO
20.Monkey DISCOOOOOOO
―we are DISCO!!!―
21.I Hate DISCOOOOOOO!!!
アンコール1
22.Punk Is Not Heavy Metal(新曲)
23.FREE THROW
24.I’ll Be There
25.LOVE&DISCO
アンコール2
26.Drums,Basses,Guitars,Keys,And Your Love And Voice
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