7月27日、ニュー・アルバム『It’s shoooort time!!』をリリースしたGOOD4NOTHING。そのレコ発ツアー「BURN SOUL DOWNדIt’s shoooort time!!”TOUR」の下北沢シェルター2DAYS・2日目が、盟友・Jr. MONSTERとのガチンコ・ツーマンで行われた。全21曲・25分というショートチューンのみを収録した最新作のリリース・ツアーというだけでも、凄まじく痛快なアクトになること必至のこのツアー。彼らにとって初めての同じ会場での2日連続公演というメモリアル・ムードも手伝って、G4Nの熱きパンク・スピリットと、ライブハウスとオーディエンスへの愛が全開となった感動的なアクトとなった。
まず登場したのはJr. MONSTER。「Jr. MONSTER、いくぞ!」というEJIMA(Vo/B)のアジテーションに促され、フロアは初っ端からモッシュ&ダイブの乱立状態! 火の玉のように転がる灼熱のパンク・サウンドに、NAMIKIのハイテンションなシャウトが更なる油を注いでいく。大きく振りかぶって叩き出されるKEV(Dr)のビートも、どこまでも鋭利でアグレッシヴだ。“Feel the wind”では一転して、抜けのいいバンド・サウンドを伸びやかに鳴らしていく3人。アメリカ西海岸の一本道をまっしぐらに突き進むカラリとした空気感を持ちながら、複雑なアレンジやメロディがフレーズごとに施されたドラマティックな楽曲だ。「誰もお前らのこと止めないから好きにやっちゃって!」(EJIMA)と再びフロアを煽り立てた後は、キラキラのメロディと弾丸ビートがせめぎ合うポップ・チューンをノンストップで連打。「楽しんで帰ってくれー!」というNAMIKIの絶叫から突入した終盤では、スリルと興奮が交互に押し寄せるジェットコースターのような必殺チューンが畳み掛けられていく。“ENDLESSLY…FOREVER…”で多幸感溢れるラストを迎えるまで約45分。強靭なグルーヴと豊かなメロディで大きな熱狂を築いていくジュニモンの魅力が炸裂したアクトだった。
そして20:06。SEとともに一気に前へと詰めるオーディエンスを前に、我らがGOOD4NOTHINGが勢いよくオン・ステージ! 1曲目“M×S×N”から、最新作のショートチューンを矢継ぎ早に叩きつけていく。ほとんどの曲が2分足らず、少しでも気を緩めると、あっという間に終わりを迎えてしまう楽曲の数々。しかし生の演奏を前に感じたことは、音源で聴くよりも1曲ごとの体感時間が長く感じたことだ。というのも、1曲ごとの見せ場があまりにも多いから。スピーディーなヴォーカルの掛け合いを見せるU-tan(Vo/G)&TANNY(Vo/G)、隙あらばビリビリと身体を震わすベース・ラインを挟み込んでくるMAKKIN(B)、そしてダイナミックなビートを打ち鳴らすSUNE(Dr)……そのどれもに華があって、実際の尺以上の見ごたえがある。曲から曲へと移行する流れも、本当に滑らか。“Got it Right”までの冒頭9曲を10分ちょっとで駆け抜けた頃には、まるで1曲の巨大なロック・オペラを見ているような気持ちに襲われた。
「毎度。よーライブハウス来てくれたな。生きとったら色んなことあると思うけど、明日から頑張れるように思いっきり笑って帰ってくれ!」(U-tan)と最初の挨拶をした後は、再び最新作の楽曲を乱れ打ち。「お前ら日曜日好きだろ?」と放たれた僅か18秒の楽曲“Sundays”の後には、近くで見ていた男子2人組から「短すぎてウケる(笑)」という声が。もちろん「♪ラララー」というシンガロングからはじまった“JUST LIKE YOU”では、フロアから温かなハンドクラップを誘うことも忘れない。“Time To Breathe”でも、どっしりとしたミドル・テンポに乗ってエモーショナルな歌が紡がれていく。「みんなで数えるぞー!」というアジテートからフロア一丸の「ワン、ツー、スリー、フォー!」という号砲へ雪崩れ込んだ“1,2,3….”も含めて、スピードのみに頼らず多彩な表情を持った楽曲の連打でフロアの熱をじりじりと上げていく手腕には本当に恐れ入る。「短いやろ、参ったか」と言うU-tan。さらに“Freedom”“BLAST OFF!!”と続けて「実はアルバムの曲、全部終わったんだけどね」と言ったのはライブがスタートしてから30分も経ってない頃。もう、本当に参りました!
「僕たちはこの曲ではじまりました。10代で作った曲を聴いてくれ!」と“LET’S GO!”で幕を開けた後半は、彼らのバンド史を辿るような必殺チューンのオンパレード。フロアはこれまで以上に熱くなり、ハイジャンプに激震するわ、あちこちで円陣が作られるわ、ダイブやモッシュが勃発するわの芋洗い状態。特に“J.C”、“Stick With Yourself”“So long”3連打での、バンドとフロアが互いに爪を立て合うような獰猛な一体感は凄かった。「最近老舗のライブハウスが無くなってきてるやん。俺はライブハウスで育ってきたし、人生の大事なもんをいっぱいライブハウスから教えてもらいました。だから皆でライブハウスを守っていこうな」(TANNY)だったり、「(2009年に脱退したドラマー)Kawajinは元気にしてるで!」(U-tan)だったり、愛あるMCも随所に披露。パンク・ロックに目覚めたときのピュアな衝動を原動力としながら、1曲ごとに聴き手の胸を突く深いエモーションが感じられるのは、こういう彼らの熱くて優しい精神性がどの曲にも息づいているからだと思う。そして「バンドできて本当に幸せや」(TANNY)という最後のMCから眩い光の中へと飛び込んでいくような怒涛のクライマックスへ!
アンコールでさらなる絶頂に上り詰めた後は、「まだ足りない!」とばかりに歓声を送るオーディエンス迎えられてダブル・アンコールへ。「なに聴きたい?」というU-tanの問いにさまざまな曲名が飛び出すフロアを前に、“Balance of the world”を投下。さらにパンク・ロックの王道を邁進していくような華やかな新曲のプレゼントも! バンド結成から13年。初期衝動に立ち帰ったようなショートチューンだらけの痛快作をリリースしてもなお、尽きることない創作意欲を見せつけて、未来への力強い第一歩とした。(齋藤美穂)