リリース60年、『リボルバー』のすべて——ロックの未来を変えたザ・ビートルズの革命的名盤を検証する特別企画「後編」

リリース60年、『リボルバー』のすべて——ロックの未来を変えたザ・ビートルズの革命的名盤を検証する特別企画「後編」
現在発売中のロッキング・オン10月号では、今年でリリースから60年を迎えるザ・ビートルズ『リボルバー』の詳説ドキュメントを掲載!
以下、本記事の冒頭部分より。

“ヒア・ゼア・アンド・エヴリホエア”はかなり素早く書かれたんだ。ある朝、ジョンが起きるのを待っている間に、プールサイドでね(ポール・マッカートニー)


“アイム・オンリー・スリーピング”見事なほどに眠気を誘う“アイム・オンリー・スリーピング”が彼らが次に取り組んだトラックで、4月27日に開始されたが、完成したのは5月5日になってからだった。ジョン・レノンは筋金入りの眠りたがりの男として知られていた。物議を醸した「キリストよりも人気がある」というインタビューの中で、ジャーナリストのモーリーン・クリーヴは次のように書いている。「彼はほぼ際限なく眠ることができ、おそらくイギリスで最も怠惰な人物である。『肉体的に怠惰なんだ』と彼は言った。『書くことや読むこと、見ることや話すことは気にならないけれど、肉体的なことで僕がもうわざわざやろうと思えるのはセックスだけだ』」。ポール・マッカートニーがジョンの自宅「ケンウッド」で熱心に曲作りに励んでいる間、彼の共作者が夢の国の中に留まっていたという公知の事例もあり、特に“ヒア・ゼア・アンド・エヴリホエア”がその代表例である。ジョンは4月25日、自動車電話の請求書の裏に歌詞を書いていた。しかし、最初のスタジオセッションで、ポールはミドルエイト(中間部)が欠けていることに気づき、よりアップテンポな《Keeping an eye on the world going by my window……(窓の向こうを通り過ぎていく世界を見つめながら……)》のセクションを提供した。“レイン”の制作中にジョンが逆再生レコーディング技術を発見したことを受けて、念のためにすべてを逆再生で試すことが、いまや事実上の必須事項となっていた。“アイム・オンリー・スリーピング”におけるジョージ・ハリスンの8小節のソロは、そのプロセスの恩恵を受けたものの一つだった。ジョージが逆再生したときに良く聞こえるようなソロを意図的に作り上げ、それをジョージ・マーティンに逆向きに譜面へ書き起こしてもらったことで、その技術はある程度洗練されたものになった。それに続いたのは、マーティンがジョージを根気強く指導し、彼が正しく弾けるようになるまで逆転した音符をたどらせた、9時間にも及ぶ過酷なセッションだった。「ジョージが何時間も何時間もギターの上に屈み込んでいる姿が今でも目に浮かびます」とジェフ・エメリック(注:アビイ・ロードのエンジニア)は2006年に書いている。「ヘッドホンをしっかりと締めつけ、集中して眉をひそめていました」
(以下、本誌記事へ続く)
ザ・ビートルズの記事は、現在発売中の『ロッキング・オン』10月号に掲載中です。
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