東京事変 @ ZEPP TOKYO

東京事変 @ ZEPP TOKYO - 東京事変東京事変
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9月にリリースされた3rdアルバム『娯楽(バラエティ)』を引っ提げての初のスタンディング・ツアー「東京事変 live tour 2007 Spa & Treatment」、全国7都市14公演のファイナルとあって、客席はのっけから熱い。そんな期待に応えるようにオープニングから“復讐”“酒と下戸”と新作の楽曲が披露された。椎名林檎の白く輝く衣装+メンバーの白衣のようなロングコートといい、確かなテクニックに裏付けされた自由奔放なサウンドといい、《噫、お前さんを冒涜したい/この世の色情と謙遜に抹殺されろ》(“酒と下戸”)という芝居がかった歌詞といい、アバンギャルドとポップを攪乱するとてもスリリングなパフォーマンスだ。インタヴューで「普通にバンドがライヴハウスでやっていることをやりたかった」と語っていたが、それをこんなハンパじゃない表現力を持った人たちがやるととんでもないことになる。
 
“金魚の箱”では椎名林檎がギターを手にして、浮雲(ギター)と背中合わせでつまびくという素敵な光景も見られた。またメンバーの長いMCのあと“某都民”で現れた林檎は鮮やかな黄色いロングシャツに衣装を変え、次の“月極姫”でするりと脱ぎ捨てたかと思うと妖艶な紫色のキャミソール姿に変身。会場を沸かせた。幽玄な映像も当然ながらクオリティーが高い。林檎ソロ名義の“丸の内サディスティック”や“群青日和”“修羅場”といった過去の東京事変の楽曲の間には、本日11月21日発売の新曲“閃光少女”を披露。「初めて接する時は正面から向き合って生で聴いて欲しい」というメンバーの希望によって、このツアーで初披露され、本日発売となったそうだ。その意図が十分に伝わってくるタテのりの疾走感溢れるナンバーだ。

本編最後の“キラーチューン”は、まるで宝塚のグランドフィナーレのように会場全体がキラキラしていたし、二度目のアンコール“透明人間”では林檎の旗に合わせて会場全体が手を振った。
 
1万円以上のチケット代を払って東京ドームで外タレを見るのでも、ブルーノートでジャズに揺れるのでもない、大人が楽しめる成熟したエンターティメントとしてのロックのスタンディング・ライヴ。そんな東京事変ならではの醍醐味をたっぷりと見せつけてくれた。(井上貴子)
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