OKAMOTO'S @ 渋谷クラブクアトロ

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OKAMOTO’Sのワンマンライブ「Two Much Monkey Science」。7月18日に2ndシングル「マジメになったら涙が出るぜ/青い天国」を控えたタイミングで、大阪・東京でそれぞれ1公演ずつライブを行うショートツアーだ。なお、彼らがワンマンライブを行うのは約8ヶ月ぶり。久しぶりのワンマンライブであることと、アルバムのリリースツアーのようなコンセプチュアルなライブではないことも手伝って、いつも以上にリラックスしたムードと遊び心に溢れたアクトだった。そして、それが最高だった。

19時10分、SEに乗って登場したメンバー。髪を真っ赤に染めたオカモトレイジ(Dr)、長い髪を切って短髪になったハマ・オカモト(B)、やたら髪の伸びたオカモトショウ(Vo)&オカモトコウキ(G)ら、久しぶりに生で見る4人の様変わりした姿に目を奪われているうちに投下されたのは、いきなりの新曲“青い天国”。ギラギラと燃えたぎる衝動をそのまま音にしたようなミドルテンポの音塊が、超満員のフロアを大きく揺さぶっていく。そのまま“アイのテーマ”へ流れると、果敢にマイクをフロアに向けて「アイ、アイ、アイ!」のシンガロングを煽るオカモトショウ。夏が目前とは思えない、厚手のスーツ&スカーフという少々暑苦しいファッションでステージを右へ左へと飛び跳ねる姿が眩しい。続く“ミスターファンタジスタ”では、フロアに土石流のごとく押し寄せるぶっといグルーヴが炸裂。終盤でオカモトコウキが奏でるギターが青白くスパークすると、フロアから割れんばかりの大歓声が沸き起こった。

“Stomp Feet Stomp”“Baby Don’t Stop”2連打の後は、「4月に天国に行ってしまったDragon Ashの馬場育三さんは、俺たちを超かわいがってくれたし、俺たちも大好きなミュージシャンでした。そんな馬場さんに捧げます!」との前置きから“I ♥ Hip Hop ~ Walk This Way”へ。さらに大小のミラーボールが回る中で“まじないの唄”“Beek”と続けて、フロアのテンションをぐいぐいと引き上げていく。オーディエンスの腰をひとり残らず揺さぶっていく強靭なグルーヴ、尽きることない欲望をそのまま言葉にしたような享楽的な歌詞の力は去ることながら、やはりライブを観るたびにワクワクさせられるのは4人のアグレッシヴなパフォーマンスだ。オカモトショウは1秒たりとも止まることなく踊りまくって歌いまくっているし。ハマ・オカモトとオカモトコウキが鮮やかなソロリレーを繰り広げている背後で、オカモトレイジは白目を剥いてドラムを叩きまくっているし。4人の個性のぶつかり合いで観る者の目を釘付けにしていくそのライブ巧者っぷりは、ここに来てどんどん精度を増しているように思える。曲が終わるたびにメンバーそれぞれへの声援が均等に飛んでいるのが印象的だったが、それこそが4人のキャラの濃さと人気の高さをうかがわせる何よりもの証明だ。

OKAMOTO'S @ 渋谷クラブクアトロ
そして注目は、バンド初の試みとして行われた9曲目からのアコースティック・セット。メンバー全員が椅子に腰掛けて自由なトークを展開しながら、洋楽のカバー曲を中心とした楽曲が終始リラックスしたムードで届けられていく。「俺とレイジでバンドを始めたとき、一年間この曲しか演奏しなかった」(ショウ)というザ・ローリング・ストーンズの“Jumping Jack Frash”。彼らのバンド名の由来にもなっているバンド=ラモーンズの代表曲“The KKK Took My Baby Away”。そしてショウがギター、コウキがボーカル、ハマがドラム、レイジがベースにパートチェンジして演奏された“愛する君に”。なんとライブ初披露だという3rdアルバム収録曲の“あの娘ぼくが使ったらどんな音するんだろう”も、アコースティック・ヴァージョンでやった。もちろん、そのどれもが遊び心たっぷりの快演。トークではオカモトレイジの言動にハマ・オカモトが鋭い突っ込みを入れたり、バンド結成当時の思い出をしみじみ語ったり、4人の仲の良さを目いっぱい堪能できたこともファンにとっては嬉しかったんじゃないだろうか。

そしてライブもいよいよ終盤へ。「俺たちが新しい一歩を踏み出す歌です」というオカモトショウの熱いMCから突入したのは、新曲“マジメになったら涙が出るぜ”。従来のOKAMOTO’Sの楽曲にはない切実さを宿した歌とメロディがせめぎ合う、焦燥感に満ちたソリッドなロックンロールが気持ちよく疾走していく。そして“Run Run Run”から分厚いリフとグルーヴで押しまくるダンスタイムに再び雪崩れ込むと、“欲望を叫べ!!!!”で本編終了。アンコールでは映画『モテキ』のコンピレーション・アルバムでカバーした岡村靖幸の“どぉなっちゃってんだよ”を経て、“恋をしようよ”“笑って笑って”の連打で大団円。「笑って笑って」のシャウトに乗せて、フロア中に無数の笑顔の花を咲かせて2時間弱のステージを締め括った。

とにかく終始ハッピーでオープンなヴァイブスに満ち溢れた最高のアクトだった。彼らのライブがメチャクチャ楽しいのは今にはじまったことじゃないけれど、今まで以上に肩の力の抜けたアクトによって、それがさらに浮彫りになった感じ。何より、かつてなく切実な想いが解放されたニュー・シングルの発売に先駆けて、こういったOKAMOTO’Sの真骨頂と呼べるような痛快なライブが観られたことが嬉しい。きっとバンドが新たな一歩を踏み出すためにも、ライブという生の場で音を鳴らすことによって自らの立ち位置を再確認することが、メンバーにとっても必要だったんじゃないか。シングルのリリースを機に、ロックンロールを鳴らせる楽しさや喜びだけでなく、聴き手の心に真っ直ぐ突き刺さるシリアスなメッセージをも解き放ちはじめるOKAMOTO’S。そんな彼らの「今」が、今夜のステージにはしっかりと焼きつけられていた。(齋藤美穂)

セットリスト
1.青い天国
2.アイのテーマ
3.ミスターファンタジスタ
4.Stomp Feet Stomp
5.Baby Don’t Stop
6.I ♥ Hip Hop ~ Walk This Way
7.まじないの唄
8.Beek
9.Jumping Jack Frash
10.The KKK Took My Baby Away
11.愛する君に
12.あの娘ぼくが使ったらどんな音するんだろう
13.マジメになったら涙が出るぜ
14.Run Run Run
15.欲望を叫べ!!!!
アンコール
16.どぉなっちゃってんだよ
17.恋をしようよ
18.笑って笑って
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