開演時間を迎えるなり脇山広介(tobacojuice、Liquid)のド迫力ビートが繰り出され、自然な愛嬌を振りまく宇宙まおがガッツ・ポーズを決めながら姿を見せる。情念系歌謡テイストのロック・ナンバー“穴だらけ”による《穴だらけ 穴だらけ/わたしの視線で》という歌詞とは裏腹に、自身が人々の視線を釘付けにしてしまうというツカミからスタートだ。バック・バンドのメンバーは脇山の他、ギタリストはアッキーこと藤田顕(自身のPLECTRUMに、GREAT3やCocco、back numberらをサポート)、ベーシストにしてバンマスのキタダマキ(ホフディランやゆず、Salyuらをサポート)、キーボードにSUNNY(SuperflyやMr.Children、YUKIらをサポート)というとんでもなく屈強な顔ぶれである。ロックな演奏の爆発力が半端ではない。
「お集まり頂きありがとうございます! 楽しい楽しい『Beat Happening!』、楽しい曲をやりたいと思います! 踊るんで、一緒に踊ってください!」と、続いては11/7にリリース予定のセカンド・ミニ・アルバム『ワンダーポップ』に収録されるナンバー“1234”へと向かう。カラフルかつ勢いに満ちた楽曲の中、彼女は足踏みしつつ腰をフリフリ。RO69で連載中のブログ『宇宙日記』(http://ro69.jp/blog/uchumao/)の9/25付けのポストでは、この振り付けについても触れられていた。今の宇宙まおの勢いを象徴するような一曲だ。
「涼しくなってきましたねえ。どうですか? まだ? 4月にデビューして、こうしてライヴをやって来てるんですけど、11月にまたアルバムを出します。『ワンダーポップ』って言うんですけど、その中から一曲。先行配信もしているんで、その曲をやります」と繰り出されるのは“あの子がすき”だ。この曲、すでにPVも公開中なので、ぜひ触れてみて欲しい。びっくりすると思う。バンドのアレンジはすこぶる華やかなものになっているが、サビ(と呼んでいいのか分からないけれど、たぶんサビ)の「あの子がすきー、あの子がすきー」という平熱で平坦なヴォーカル・リフレインの凄さ。彼女の声とともに、これは中毒レヴェルで胸に刻み付けられてしまう歌だ。動きに華のあるメロディではなく、日常に忍び込み思考をループする想いが形になってしまっているという点で異様にキャッチーなのである。こんな歌がメインストリームに放り込まれるという大胆不敵さも含めて、実に革新的だ。
宇宙まおは今後、福岡で行われる『MUSIC CITY TENJIN LIVE CIRCUIT』(出演日は9/29)や仙台の『MEGA☆ROCKS 2012』(10/6)、大阪で行われる『MINAMI WHEEL 2012』(出演日は10/13)といった各イヴェントへの出演も決まっているので、ご近隣の方はぜひ、ロック・ソングを生きる力として天真爛漫に振り回すこの才能に、出会って欲しい。また、10/23には、今回と同じく下北沢GARDENで行われる『Beat Happening!』にも登場を予定している。(小池宏和)
宇宙まお セット・リスト
1: 穴だらけ
2: 1234
3: バイバイ
4: 満月の夜
5: あの子がすき
6: ロックの神様