OGRE YOU ASSHOLE @ SHIBUYA-AX

OGRE YOU ASSHOLE @ SHIBUYA-AX
OGRE YOU ASSHOLE @ SHIBUYA-AX
9月にリリースされたアルバム『100年後』のリリースツアーのファイナルとなったSHIBUYA-AXワンマン。大勢のオーディエンスが待ち兼ねる中、すうっと薄青い照明になっていき、メンバーが登場。出戸学(G&Vo)の「こんばんは、OGRE YOU ASSHOLEです、よろしくお願いします」という挨拶から、“これから”でライヴは幕を開けた。飄々とした佇まいながら、あっという間に、その場をびっしりと音で埋め尽くしていく。じっと身を委ねているオーディエンスが多いのもわかる。呼吸をすると体内に音が入ってくるような気がするほど、ただそこに居るだけで感じられる。また、一音一フレーズがライヴならではの鳴り方をしていて、その拘りにも圧倒される。エフェクティヴかと思いきや、急に生っぽくなったりして、夢と現を変幻自在に行き来するようなサウンドは、それだけで物語性を感じさせられる。

OGRE YOU ASSHOLE @ SHIBUYA-AX
3曲目の“素敵な予感”まで終えて、「3日前くらいに発表されたんですけど、1年くらいサポートをやってくれていた清水さんが正式メンバーになりました。今日がそれから初めてのライヴなんですけど」と、さらりと出戸がアナウンス。楽曲の世界観ありきながら、『バンド』であることが彼らにとって大切なのだろう。その後に披露された初期曲“タニシ”を聴きながら、彼らは飽くなき進化を遂げてきたけれど、ずっと芯は貫かれていたのだと、改めて思った。さらに、“二つの段階”で4人が向き合って音を鳴らしている姿は、彼ら自身が誰よりも楽しんでいるように映った。その渦の中に、オーディエンスもズブズブと巻き込まれていく。“フラッグ”の後の、「『100年後』のアナログを12月の半ばに発売するんですけど、海外のプレスがルーズなんで、今日には間に合わなかった」という出戸のぶっちゃけトークには、ふと誰もが我にかえったかのように笑いが起きていた。

OGRE YOU ASSHOLE @ SHIBUYA-AX
ハイライトは、ライヴ仕様になっても、揺らがぬ真っ直ぐなメロディに力を感じた“夜の船”から、『100年後』でもラストを飾っていた“記憶に残らない”、“泡になって”という流れ。気付けば、本当に100年後に飛んでしまったような、希望も絶望もない真っ白な感覚を茫然と味わっていた。

アンコールに応えて出てきた出戸の「最後に暴れてみて下さい」という、本気のような冗談のような誘いからはじまったのは、“ロープ(Long ver.)”。暗闇に音が響き、暫くしてじわじわと轟音へ。うっとりと聴き惚れながら絶頂まで辿り着いたところで、思わずフロアからは拍手が。その後もトドメを刺すように演奏を続け、総じて15分くらいのアレンジになっていたと思う。彼らがステージを降りても、耳に残る残響音と共に、ダブル・アンコールを求める声が長く止まなかった。(高橋美穂)
公式SNSアカウントをフォローする

人気記事

最新ブログ

フォローする