version21.1 second @ 品川ステラボール

version21.1 second @ 品川ステラボール - the telephonesthe telephones
version21.1 second @ 品川ステラボール - OGRE YOU ASSHOLEOGRE YOU ASSHOLE
version21.1 second @ 品川ステラボール - サカナクションサカナクション
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昨年6月に新木場スタジオコーストで行われた、the telephones、OGRE YOU ASSHOLE、サカナクションの3組によるライブ企画『version21.1』。前回と同じ面々が再び揃って行われる『second』は、東名阪のジョイント・ツアーという形でスケール・アップして開催を迎えた。2月7日には名古屋で、2月8日には大阪でそれぞれパフォーマンスを行い、いよいよこの日、品川ステラボールでファイナルが行われる。3公演それぞれに3組の出演順が入れ替えられていたりするなど、出演者自らが楽しもうとする意気込みもはっきりと感じられる。さあ、いよいよファイナルの幕開けだ。

●the telephones
東京公演のトップバッターは、テレフォンズである。当然、いきなりのヒート・アップを見せるステラボールのフロア。“Monkey Discooooooo”、“HABANERO”、そして石毛による“ミラーボールを、ぶっ壊せー!”というアジテーションとともに突入していった“clashed mirror ball”と、ボルテージの高いダンス&シンガロング・ナンバー連打にオーディエンスは黒いうねりと化した。この辺りはさすがの常道テレフォンズ。なのだが、この後に披露された新曲が、ドリーミーなサウンドに満ちたとても美しい曲で、セット・リストの流れにも後押しされて際立った存在感を示していた。「すごいね。大入りだね。満員御礼だ。みんな2010年に期待してるんでしょ。あれ? してねえか。『version21.1』は、クソみたいなこと一杯の時代に、つらいときこそ、音楽を聴いて過ごそうっていう、イベントだと思ってます」。石毛のマニフェストが冴える。そして“Urban Disco”を披露した後には「ウィー・アー!」「バージョン・トウェンティ・ワン・ドット・ワン!」というやたら難易度の高いコール&レスポンスが行われたが、これが見事にオーディエンスの声が揃って決まった。素晴らしい。ラストは岡本がシャツを脱ぎ捨て、彼の「ファイヤー!」の決め台詞とともに幕となった。

●OGRE YOU ASSHOLE
2番手の登場となるのはオウガだ。ミニマルな反復構成のスペーシーなロック・サウンドに出戸の少年性が宿るボーカルが泳ぐ“ステージ”からのスタート。その後も昨年のアルバム『フォグランプ』やシングル『ピンホール』の収録曲を中心に、奥行きのある音響で現在進行形のオウガを見せつけてゆく。“ネクタイ”ではギター・オリエンテッドなサイケデリアに寓話的な語り口と生活感がまとわりつく歌詞が映える。「今日で終わりなんですけど、あっという間でしたね。僕、みんなに勧められてツイッター始めたし。みんな現代っ子なんですよね。ツイッターの話しかしないんだもん。なので半ギレでやります。半ギレツイッター」。と出戸。いい感じでバンド間のコミュニケーションから新しい影響が芽生えているようだ。いいじゃないか半ギレツイッター。バンド間の影響と言えば、今回のオウガはダンサブルな楽曲を多く披露しているように思えたりもしたのだけれど、最後には広がりのある大らかなメロディで、彼ららしい余韻をステージに残していったのだった。

●サカナクション
そしてトリを飾るのは、サカナクションだ。プログラミングされた“Ame(B)”のイントロが響き渡って歓声が起こり、メンバーがステージに姿を現してそのまま演奏に入る、というお馴染みのオープニング。続けて、「和」を感じさせる独特のメロディ・ラインが浮かび上がった“ライトダンス”ではシンガロングが広がり、目下の最新シングル曲“アルクアラウンド”ではけたたましいシンセ・サウンドが聴く者の高揚感を募らせてくれた。山口曰く「『version21.1』は去年味をしめて。今日は2月11日で、211じゃん」。おお、ほんとだ。気がつかなかった。「次に東京で(ライブを)やるのはニュー・アルバムのツアーなんで、このセット・リストでやるのも最後かと思うと、寂しいですね」。彼は本編ラストの“ナイトフィッシングイズグッド”で、シンガロングを煽っているくせに自分で歌い出しをトチったりしていた。アンコールでの再登場第一声では「さっきすごい恥ずかしかった。裏で大爆笑。一郎またやった、みたいな。2回目なんですよ」。と白状する。「『version21.1』は、3バンドで新しい風を起こせたらいいな、と。次はもっとバンドが増えるかも知れない。応援してください」。イベント・タイトル自体が決意表明のようになっているけれど、こういうことをはっきりと言ってくれるアーティストは、とても頼もしく感じられるものである。

テレフォンズのステージではシンガロングを促すLEDサインが映し出され、オウガのときには幻想的な楽曲を後押しする、バンドのシルエットを浮かび上がらせるような背後からの眩い照明が当てられていた。そしてサカナクションでは中盤の“ネイティヴダンサー”以降、フロアを幾筋ものレーザーが飛び交うなど、それぞれ異なる形での演出も素晴らしかった。公演の最後には出演者全員とともに記念撮影が行われ、「みんな、携帯とかで撮っていいよ」という唐突なサービスには、満場のオーディエンスも大喜びしつつ、慌ててステージに向かって携帯を掲げるのであった。もちろん、僕も。
(小池宏和)
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