SEが鳴り響く場内に、一人ずつお辞儀をしながら現れた4人。鋭いカッティング・ギターからスタートしたのは、いきなりの最新シングル“I Wanna Be Your Valentine”である。さらに“Thunderous”“Ray”“Ugly Marguerite”とアップ・チューンを畳み掛け、クラウドサーフィンとモッシュに沸き返るフロアを力強く牽引。緩急の効いた展開を一糸乱れぬアンサンブルで表現しきる演奏スキルは勿論のこと、メンバー各々のソロパートやヴォーカルリレーを次々と繰り出してオーディエンスの視線を釘づけにするエンタテイメント性溢れるパフォーマンスが素晴らしい。伸びやかなファルセットと熱のこもったシャウトを自在に操り、セクシーかつ攻撃的なムードを演出していくのび太のキレのある歌声も絶好調だ。
「去年までは僕にとってバレンタインって、譬えるならばブラジルでリオのカーニバルが開催されているぐらい自分と関わりのないイベントだったんですけど。今年シングルを出したことで、ようやく身近なイベントになりました!」と突入した“Would You Be My Valentine?”では、ピンク色の照明で染め上げられた場内に甘くロマンチックなメロディが響きわたる。一方5月22日にリリースを控えたメジャー第一弾シングル“Velocity”では、WHITE ASHの王道とも言えるエッジーなギターとエモーショナルなメロディ、そして複雑にテンポチェンジするビートがスリリングにドライヴする。さらに“Jails”“Paranoia”“Stranger”と猛ダッシュして本編終了。「そんなもんじゃねぇだろ、赤坂!」と怒号を響かせ、ゴム毬のようにステージ上を飛び跳ねまくるのび太の強烈なアジテートによって、BLITZ全体が一気に絶頂へと上り詰めたのであった。
中盤のMCでは、「メジャーに行くことを好意的に受け入れられない人もいるかもしれないけれど、僕らとしてはメジャーのほうが色んなお遊びができると考えていて。譬えるならば新しいオモチャを手に入れたような気持ちで、インディ時代はできなかったお遊びで皆をもっと楽しませてきたいなと思っています」とメジャー・デビューへの思いを語っていたのび太。メジャーへ乗り出すプレッシャーや気負いを感じさせない、そんな前向きで余裕に満ちた言葉が、彼らの末恐ろしさを何よりも象徴していたと思う。ロックバンドとしてのIQ値の高さと無邪気な遊び心を武器に、ロックシーンの王道を爽快に突き進むWHITE ASH。彼らの凄みを十二分に感じられた今夜のアクトをステップとして、今後はメジャーの舞台で更なる大旋風を巻き起こしていってほしい。(齋藤美穂)
セットリスト
1. I Wanna Be Your Valentine?
2. Thunderous
3. Ray
4. Ugly Marguerite
5. Mosquito
6. Deadmans On The Dancefloor
7. New Wave Surf Rider
8. Kiddie
9. Maze
10. Scar(t)
11. Would You Be My Valentine?
12. Giant Skips
13. Velocity
14. Jails
15. Paranoia
16. Stranger
17. And Gypsy