UKFC on the Road 2013 2日目 @ 新木場STUDIO COAST

UKFC on the Road 2013 2日目 @ 新木場STUDIO COAST - killing Boy pic by Yuki Kawamotokilling Boy pic by Yuki Kawamoto
UKプロジェクトと縁が深いアーティストが集結したイベント「UKFC on the Road」の2日目。UKプロジェクト社長の遠藤氏曰く、今日のテーマは「日本オルタナティブ選手権」。まさに、幅広くもぶっ飛んだアクトが揃い踏みだ。ライブはFRONTIER STAGEとFUTURE STAGEで交互に行われ、バー付近には片平実を中心としたDJが盛り上げるRIGHTTZZA TENTも。隙間なく楽しめる構成になっていた。

killing Boy(FRONTIER STAGE)
1. talking about angels
2. you and me ,pills
3. Frozen Music
4. 1989
5. Call 4 U
6. funkkk
7. in the corony
8. Confusion

トップを飾るのは、ある意味今日のトップに相応しい、真っ昼間から新木場を夜闇に変えるkilling Boy 。日向のベースがとびっきり色っぽい“taking about angels”から、木下がハンドクラップを煽った“you and me,pills”と連打。頑ななようで、ロマンティックでダンサブルな楽曲の数々が、徐々に大観衆に染み入っていく。MCでは木下が「伊東ちゃんの花言葉が最後にあるんで……」と、彼らのライブで聞き覚えのある振り(ここでもやるんかい!?)。そして“Call 4 U”を挟み、いよいよ伊東の花言葉コーナー。今日の誕生花はサボテンのようで、その花言葉を披露。「燃える心。俺たちみたいだね。あと、もう一つあって、内気な乙女。あなたたちみたいだね」……こなれ過ぎではないか!?(笑)。その後も音塊を飄々とぶつけて、ステージを降りた。

MO'SOME TONEBENDER(FUTURE STAGE)
1. trigger happy (in the morning)
2. 24 hour fighting people
3. Lost In the City
4. ElectBoys
5. FEEVEER
6. We are Lucky Friends

UKFC on the Road 2013 2日目 @ 新木場STUDIO COAST - MO'SOME TONEBENDER pic by Yasuhiro ShimokaMO'SOME TONEBENDER pic by Yasuhiro Shimoka
続いてはMO'SOME TONEBENDER。客電が消えた……と思ったら、自分がいた、ステージと対面のバルコニーに鬼が! びっくりしてるうちに、鬼は祭りと書かれた団扇を抱えて隣をすり抜け、フロアを突っ切りステージへ向かい、バンドと共に“trigger happy (in the morning)”を奏でだす。鬼……というか、もう言わずとも正体はわかりますよね。武井は、“24 hour fighting people”でも、すぐにベースを置いて踊り出すと、フロアにもサイリウムが舞う。さらに“Lost In the City”では、電飾きらめくマントを羽織って登場……息つく間もなく、カオス! ここでやっと武井がベースを持って“ElectBoys”が始まったかと思いきや、次は百々が水を吹き、ハンドマイクで歌いまくり、ダーイブ! 続く“FEEVEER”では、武井も藤田も煽り&コーラスに徹する場面も。もう、誰にも、止められない! でも、最後は“We are Lucky Friends”で、会場を一つにして締め括るあたりは流石。夢か現か揺らめくような狂騒だった。

OGRE YOU ASSHOLE(FRONTIER STAGE)
1. フラッグ(2パターン ver.)
2. 素敵な予感(twin bass ver.)
3. ロープ(Long ver.)

UKFC on the Road 2013 2日目 @ 新木場STUDIO COAST - OGRE YOU ASSHOLE pic by AZUSA TAKADAOGRE YOU ASSHOLE pic by AZUSA TAKADA
幕の向こうから甘い音色。次はOGRE YOU ASSHOLEだ。力強いドラムから始まったのは“フラッグ”。どんどん己の世界にフロアを飲み込んでいく。その残響音から、馬淵もベースに持ち替え、ツインベース・バージョンの“素敵な予感”……だけど、同じ曲とは思えないくらいノイジーでヘヴィーだ。耳がキーンと反応していく。そんな中で、出戸が繰り返すハンドクラップがチャーミングに映った。ほんのわずかな挨拶を挟み、最後は“ロープ”。まるで気が遠くなりそうな、長い長いバージョンを、4人で目を合わせながら奏でていく。演奏したのは、たった3曲。だけど、だからこそ、深く彼らの世界に沈みこめたステージだった。

きのこ帝国(FUTURE STAGE)
1. 退屈しのぎ
2. ユーリカ
3. 国道スロープ
4. WHIRLPOOL
5. 明日にはすべてが終わるとして

UKFC on the Road 2013 2日目 @ 新木場STUDIO COAST - きのこ帝国 pic by Yuki Kawamotoきのこ帝国 pic by Yuki Kawamoto
続いては、きのこ帝国。薄青い光の中に現れると、まずは“退屈しのぎ”。穏やかなサウンドと、佐藤の淡々とした歌声が、ひんやりとした風を運ぶ。「こんにちは、きのこ帝国です!」という明るく素朴な挨拶を経て、“ユリーカ”へ。さらに、きのこ帝国で一番速い曲である“国道スロープ”では、感情を露わにするようなパフォーマンスを見せる4人。最後は、3人が佐藤のきっかけをじっと見て演奏を始める様子が印象的だった“明日にはすべてがおわるとして”。無垢なような、達観しているような……幼子のように美しいライブだった。

THE NOVEMBERS(FRONTIER STAGE)
1. dogma
2. primal
3. はじまりの教会
4. 永遠の複製
5. 彼岸で散る青
6. Gilmore guilt more

UKFC on the Road 2013 2日目 @ 新木場STUDIO COAST - THE NOVEMBERS pic by Yasuhiro ShimokaTHE NOVEMBERS pic by Yasuhiro Shimoka
そしてTHE NOVEMBERS。小林祐介が大きく手を振り、はじまったのは“dogma”。以前よりも堂々として見えるのは、いきなり激しい曲からはじまったからだけではないはず。小林の咆哮が、空気を切り裂いていく。続く“primal”でも、激しさは増していく一方。「THE NOVEMBERSです。楽しい夜を」という小林の言葉を挟み、“はじまりの教会”で激しさは落ち着くも、張り詰めたテンションは変わらない。その艶やかな緊張感が、気持ちいい。吉木諒祐の鬼神のようなドラムで“彼岸で散る青”を締め括ると、ラストは“Gilmore guilt more”。小林は絶唱し、座りこんでギターを弾き、しまいにはギターを置いてハンドマイクで絶叫。凄まじい余韻を残した。

dip(FUTURE STAGE)
1. HASTY
2. CYAN
3. lilac accordion
4. fly by wire

UKFC on the Road 2013 2日目 @ 新木場STUDIO COAST - dip pic by AZUSA TAKADAdip pic by AZUSA TAKADA
次は、今日の殆どの出演者の根っこにありそうな重要アクト、dip。「ヤマジー!」と叫ぶ声も飛ぶ中、いつの間にか始まっていた、というくらい、ボーッとヤマジカズヒデのギターに聴き惚れてしまっていた。ズシズシと響く疾走感が気持ちいい“HASTY”、サイケデリックな空気に染めた“CYAN”と続ける。いつ聴いても心地いいヤマジのギターは健在で、居心地のいい居場所のようなギターの音色ってあるんだな、と思う。「UKFCっていうことで、UKプロジェクトから初めて出したCDの曲」というヤマジの言葉から“lilac accordion”! そして絶唱混じりの”fly by wire”で、本家の貫録を見せ付け、嵐のように去っていった。

五十嵐隆(FRONTIER STAGE)
1. She was beautiful
2. 無効の日
3. 君待ち
4. デイパス
5. 負け犬
6. (I can't)Change the World

UKFC on the Road 2013 2日目 @ 新木場STUDIO COAST - 五十嵐 隆 pic by Yuki Kawamoto五十嵐 隆 pic by Yuki Kawamoto
さあ、いよいよ次は五十嵐隆! 5月のNHKホールでの、奇跡の復活以来のステージ。今日は、一人で弾き語りである。ふらりと現れ、ぺこりとお辞儀。歓声が止まない中、始めたのは“She was beautiful”。わあ、あの声だ、あの歌だ。感動が会場に広がっていく。でも、心なしか、あの頃より、あったかく聴こえてくる。少しずつ、感情を解き放つように叫び、歌う五十嵐。そして、“無効の日”、“君待ち”、“デイパス”、“負け犬”と、アコースティックにアレンジされながらも、紛れもなく耳の奥に反響し続けていた楽曲たちが溢れ出してきた。しかも、5月のライブでは、やっていなかった曲ばかり、というか全曲、UKプロジェクトからリリースされた1stアルバム『COPY』の収録曲じゃないか!  演奏を終えるたびに「ありがとうございました」と言う五十嵐。でも、MCというMCはなく、最後の曲“(I can't)Change the World”へ。水を打ったような静けさの中に響く、その歌。言葉はなくとも、十分だった。歌うべき人、残るべき歌。それは、これからも、個に寄り添い続けるだろう。さて、彼のこれからの展開は……?

DAD MOM GOD(FUTURE STAGE)
1. DUSK
2. Shot Gun
3. last DANCE
4. Heat is ON
5. Turn the corner
6. Kick up the dust
7. Kick'n for kicks
8. MONSTER ROCK
EN1. Theme From "A Summer Place"

UKFC on the Road 2013 2日目 @ 新木場STUDIO COAST - DAD MOM GOD pic by AZUSA TAKADADAD MOM GOD pic by AZUSA TAKADA
終盤に差し掛かってきた。続いては冷牟田竜之率いるDAD MOM GOD。冷牟田だけではない、池畑潤二にウエノコウジに竹内朋康という屋台骨に、ホーン隊もタブゾンビ、田中邦和、青木ケイタと、全員が強者ばかり。その極上の演奏が楽しめるだけではなく、ワルくてイカした男臭さと、現場主義なパーティ感が加わって、あっという間に会場を食っていく。五十嵐隆というハイライトの後ながら、流石! ステージからはみ出さんばかりに暴れ回り、モーサムの百々もゲスト参加し、ここまで静かに聴き入る時間が多かったオーディエンスを、思い切り躍動させた。

POLYSICS(FRONTIER STAGE)
1. Heavy POLYSICK
2. MEGA OVER DRIVE
3. シーラカンス イズ アンドロイド
4. Shout Aloud!
5. Exclamation!
6. I My Me Mine
7. Ice, Tights, Mike
8. Everybody Say No
9. How are you?
10. URGE ON!!

UKFC on the Road 2013 2日目 @ 新木場STUDIO COAST - POLYSICS pic by Yasuhiro ShimokaPOLYSICS pic by Yasuhiro Shimoka
その勢いでPOLYSICSへ! ぴょこぴょこ跳ねるオーディエンスの前に飛び出してきたハヤシ、早々に煽る。“MEGA OVER DRIVE”でセンターに立ち、フロアをぐるっと指している姿は、貫禄たっぷりだ。さらに、“シーラカンス イズ アンドロイド”で、たっくさんの手を挙げさせる。キッズが出番!とばかりに、モッシュやダイブを起こし、一気に汗臭くなっていく。「トイス!」コールからは、「今日のラインナップは凄い!」という、UKFCのアニキ的な発言も。Ustreamで見ている人とも、しっかり「トイス!」のコール&レスポンスを交わし、“I MY ME MINE”へ。ずーっと自分の道を貫きながら、時代や人を巻き込み続けている彼らには、尊敬の念しかない。ホームであり、短い時間でもあるからか、いつも以上に瞬間を爆発させて、あっという間に最後の“URGE ON”。圧巻だった。

DJ ハヤシ(FUTURE STAGE)
1. Batman Theme
2. おかしな2人
3. 踊るダメ人間
4. 恋をしようよ
5. オルガスム
6. 風になりたい
7. 夢見る少女じゃいられない
8. ハイスクールララバイ
9. 君は天然色
10. シーソーゲーム ~勇敢な恋の歌~

UKFC on the Road 2013 2日目 @ 新木場STUDIO COAST - DJ ハヤシ pic by AZUSA TAKADADJ ハヤシ pic by AZUSA TAKADA
さらに、「お次は、DJハヤシだ~!」と自ら紹介し、すぐにステージを移動。“おかしな二人”で、エアドラムからの熱唱。は、半端なくパワフル! 久々に見たけど、やはりあり得ないDJ、DJハヤシ!(褒め言葉)。そして“踊るダメ人間”と、ハヤシ的な安定のキラーチューン。“恋をしようよ”の時は、さっき池畑さんいたステージだよ!?と、ちょっとドキドキした(笑)。“オルガスム”は、Xポーズだけをする、直立不動のヤノが登場。そして“風になりたい”では「サンバのリズムで踊れよ!」と熱く呼びかけ、“夢見る少女じゃいられない”ではフミが登場。さらに“ハイスクールララバイ”ではヤノも含め3人でイモ欽トリオ……どんだけエネルギッシュで芸達者なバンドなんだ!? “君は総天然色”では、踊りながら出てきたのは、[Champagne]のサトヤス。流石にセットリストはUKプロジェクトに関係ないなあ、と思っていたら、ちゃっかり後輩を巻き込んでいた(笑)。締め括りは“シーソーゲーム~勇敢な恋の歌~”。気付けば、ツナギが汗ダクで変色してる……お疲れ様でした! 愛と世代が表れた選曲、楽しかったです!

the telephones(FRONTIER STAGE)
1. RIOT!!!
2. Beautiful Bitch
3. DaDaDa
4. Urban Disco
5. Homunculus
6. Keep Your DISCO!!!
7.Monkey Discooooooo
EN1. Love&DISCO

UKFC on the Road 2013 2日目 @ 新木場STUDIO COAST - the telephones pic by Yuki Kawamotothe telephones pic by Yuki Kawamoto
遂にトリのthe telephones。サウンドチェックの段階から、バンドもオーディエンスも準備万端な盛り上がり! 神々しい光に照らされて、4人が登場。石毛は「音楽ってのは、いろいろあってさ。でも共通してるのは、心も体も踊るってことだと思うんだよね!」と言い、1曲目の“RIOT!!!”へ。瞬時にダンスフロアを作り上げていく。「今日は闇がたくさんあって。でも、俺は闇が眩しく見える人間だから」と総括した石毛は、「今日はUKから出した曲ばかりを演奏します!」と宣言。“Urban Disco”では、ハンドクラップと「ディスコ!」コールが炸裂。緩やかな“Homunculs”で広がりを見せると、あとは石毛曰く「アバレヨウゼー!」。“Keep Your DISCO!!!”では、石毛はブリッジしながらギターを弾き、ノブは上半身裸に。そのテンションは、「we are DISCO!!!」コール&レスポンスに繋がり、ラストの“Monkey Discooooooo”へ。石毛は転げ、ノブは叫び、涼平と誠治は連打。惜しみなく出し尽くそうとしていることが伝わってきた。

沸き上がるアンコールに迎えられ、石毛は「今日は、同い年がいて、後輩もいて、大先輩もいて……僕、dipの大ファンだったんで。いい事務所ですね、ほんと。社長がいい奴なんですよ! これからも音楽好きでいて下さい!」と叫び、“Love&DISCO”へ。ミラーボールが回り、バンドマンたちが風船を投げ入れ(今日は出ていないBIGMAMA金井もいたような!?)、会場がピースフルに染まっていく。やはり愛するバンドは、愛されるのだ。愛いっぱいのUKプロジェクトに乾杯! 明日もお楽しみに!(高橋美穂)
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