11月19日に新作『永遠(TOWA)』をリリース予定のピンク・フロイドだが、デイヴ・ギルモアはこれが最後のピンク・フロイドのリリースになることを明らかにしている。
これまでバンドは今回の新作の音源が1994年の『対(TSUI)』のセッションの時のものを使っていること、さらに2008年に他界したリチャード・ライトの最後の作品としてまとめたことを明らかにしているが、今後の音源のリリースの可能性についてデイヴは次のようにローリング・ストーン誌に語っている。
「出すだけの価値のある音源はすべて今度のアルバムに入ってるんだ。またリリースを考えるとなると、次点候補以下の音源を使うことになるし、それではぼくには満足できないものだからね」
さらにリックなしではツアーも考えられないと次のように説明している。
「リック抜きではほとんど不可能だよ。そもそもぼくは自分の人生と音楽を充分満喫しているんだから。ピンク・フロイドが生活に入り込んでくる余裕はもうないんだよ。また、ツアーをやるという考えだけでも、冷汗が吹き出してきそうな心境になってくるくらいだしね」
さらにドラムのニック・メイソンもツアーが実現しそうにもないことを次のように音楽サイトのギグワイズに語っている。
「まず最初にはっきりさせておきたいのは、今度の新作は実はもともと20年前に始まったものだということなんだよ。最初のアイディアでは(『対(TSUI)』を)2枚組にして半分は普通の歌や曲、半分はアンビエントものにするということになってたんだ。今度の新作はその時のアンビエントものの音源が一部と、それにさらにいろんなものを加えたものになってるんだよ。だから、ある意味ではこれは新しいピンク・フロイドの作品というよりは古いピンク・フロイドの音源なんだ。だから、画期的なものではないかもしれないけど、これまでとは違ったものにはなっているということになるんだろうね」
さらにデイヴは現時点でロジャー・ウォーターズに感じる距離感を次のようにも説明している。
「ぼくたちのやることがロジャーとなんかしら関わりを持つかもしれないと考える人がいること自体がぼくにはもう謎なんだよ。ロジャーがバンドをやめた時、ぼくはまだ30代だったんだ。それが今のぼくは68歳なんだよ。もうぼくの生涯の半分以上も前のことなんだから。もうぼくたちの間にはほとんど共通していることなんてなくなってるんだよ」