凛として時雨、熾烈さと美しさ湛えた究極のロックアクトで2年ぶりツアー終幕

  • 凛として時雨、熾烈さと美しさ湛えた究極のロックアクトで2年ぶりツアー終幕 - All pics by Yuki Kawamoto

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凛として時雨が、約2年ぶりの全国ツアー「Hyper Tornado Tour 2015」の最終公演を今月5日にZepp DiverCity Tokyoにて開催した。

今年1月に同時リリースされたベストアルバム『Best of Tornado』とシングル『Who What Who What』を携えて開催された同ツアー。RO69ではその最終公演の模様をレポートする。

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開幕早々飛び出した最新シングル曲“Who What Who What”の高速アルペジオが、約2年ぶりのツアーを待ち詫びたオーディエンスの情熱を激しく掻き乱し、満場のフロアはあっという間に冷徹なカオスの果てへ導かれる――今年1月に同時リリースされた初のベストアルバム『Best of Tornado』とシングル『Who What Who What』を携えて11都市15公演にわたって開催されてきた、凛として時雨のツアー「Hyper Tornado Tour 2015」。そのツアーファイナルにして東京・Zepp DiverCity 2デイズの2日目となるこの日のステージは、TK/345/ピエール中野が研ぎ澄ませてきた鋭利で強靭なアンサンブルが、全身震撼レベルの熾烈さと恍惚必至の美しさをもって鳴り渡る、最高のロックアクトだった。

昨年11月リリースのシングル曲“Enigmatic Feeling”などメジャー・デビュー後の楽曲はもちろん、“鮮やかな殺人”“想像のSecurity”といったインディーズ時代の楽曲も含め、『Best of Tornado』にも収録されたキラーナンバーを息つく間もなく繰り出し、濃密な熱気と妖気で会場を満たしていく3人。“I was music”では345の極太ベースラインとTKのカッティングが空気を震わせ、ピエール中野が叩き出す“DISCO FLIGHT”のタイトなビートがフロア一面の大ジャンプを巻き起こして会場を揺さぶっていく。壮麗に咲き誇った“Enigmatic Feeling”の儚くも凄絶な世界観。TKと345の歌声が絡み合う“Beautiful Circus”の麗しの音風景……痺れるようなスリルと快感が一音ごとに高まり、「ツアーファイナルだぜ! 気合い入れてこいよ!」とフロアを煽るピエール中野のコールにも熱い歓声が湧き起こる。

中盤は“JPOP Xfile”“nakano kill you”連射に続いては、345のウィスパーヴォイスが透徹した美の世界を描き出す“illusion is mine”、TKのハーモニクスの響きが虚空を照らし出した“Acoustic”、さらに“Missing ling”へ――と曲を織り重ね、静寂と狂騒の圧巻のドラマを生み出してみせた時雨。華麗なドラムソロに続くピエール中野のMCはこの日も絶好調。『Best of Tornado』のダイジェスト映像でピエール中野が「宣伝担当」として収録曲群をカラオケで歌っている風景がUPされていることに触れ、“テレキャスターの真実”をカラオケ音源をバックに熱唱したり、「『Mステ』で時雨と同じ回に出演したKAT-TUN亀梨くんが『X JAPAN・Yoshikiさんと会ったエピソード』の後でハケる時に会釈してくれた話」などを次々に披露したり、「Say、バーイブス!」から流れ込んだコール&レスポンス大会では「チョコレイト」「ディスコ」の「ディスコ」をthe telephones・石毛風ハイトーンシャウトに変えさせたり……といったサービス精神特盛りのトークをたっぷり15分以上にわたって展開してフロアを湧かせまくる。ストイックの極みの如き音楽性と、エモーションだだ漏れのピエール中野コーナーのコントラストも、時雨のライヴならではの醍醐味だ。

“abnormalize”から“Telecastic fake show”“感覚UFO”を畳み掛け、オーディエンスをさらなるクライマックスへと導いた3人。「こんなに来てくれて、ありがとうございます」(TK)という言葉とともに演奏された最後の曲は、『Best of Tornado』の最後に収められたサイケデリックバラード“傍観”。《僕は知らない 僕は見えない 僕は汚い 僕は消えたい》をリフレインするTK&345の歌声が、そしてTKの渾身のスクリームが、戦慄にも似た高揚感を呼び起こしていった。TK:7月にBillboard Live東阪公演、345:5月にgeek sleep sheep新作アルバム『candy』リリース、ピエール中野:6月にTOKYO DOME CITY HALLで「ピエールフェス」開催……と個々の活動も順調な3人の、凛として時雨としての「その先」への期待感を無限増幅するには十分すぎる一夜だった。(高橋智樹)


[SET LIST]

01.Who What Who What
02.I was music
03.鮮やかな殺人
04.想像のSecurity
05.DISCO FLIGHT
06.Enigmatic Feeling
07.Beautiful Circus
08.JPOP Xfile
09.nakano kill you
10.illusion is mine
11.Acoustic
12.Missing ling
13.abnormalize
14.Telecastic fake show
15.感覚UFO
16.傍観
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