アウル・シティー、完全ソールドアウトの来日ツアー最終日・東京公演を速報レポート!

アウル・シティー、完全ソールドアウトの来日ツアー最終日・東京公演を速報レポート!

2012年の『ザ・ミッドサマー・ステーション』に続く4作目となるニュー・アルバム『モバイル・オーケストラ』のリリースを7月10日(水)に控え、今週5月26日から大阪・名古屋・東京の3都市で約3年ぶりのジャパン・ツアーを敢行したアウル・シティー。

RO69では、完全ソールドアウトとなった同ツアー最終日、5月28日(木)Zepp DiverCity公演のオリジナル・レポート記事を公開しました。

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【アウル・シティー @ Zepp DiverCity】

誇張抜きに、アウル・シティーのライヴが凄いことになっている。煌びやかでセンチメンタルなエレクトロ・ポップ・サウンドと、恐ろしくフィジカルなバンドのダイナミズムが完璧に合致し、新曲含めた楽曲群が次々に放たれるショウであった。昨年にはASIAN KUNG-FU GENERATIONの「NANO-MUGEN FES. 2014」やSEKAI NO OWARI「TOKYO FANTASY」出演という形で国内アーティストとの交流を深めてきたアウル・シティーことアダム・ヤング。ニュー・アルバム『モバイル・オーケストラ』(7/10リリース予定)の発表を控え、この5月からシンガポールを皮切りにスタートしたツアーの来日公演は、大阪、名古屋、そしてこの日の東京と、全3公演を見事ソールドアウトさせてのステージである。

4人のサポート・メンバーが織り成す幻想的な導入部が、壮大なロック・シンフォニーへとシフトしてさっそくフリーキーなギター・プレイも飛び出す。思わず息を呑むところだが、そこにアダムがギターを携えて飛び込み、豪快な爆音アンサンブルへと展開する“Angels”だ。アダムはその音量と張り合うように「コニチハー! トーキョー!」と景気良く挨拶を投げ掛け、今度は昨年のEP『ウルトラヴァイオレット』に収録された“Up All Night”へと向かう。やはり、ロックなアタック感が強烈だ。オーディエンスのクラップを巻き起こして始まる“Dreams and Disasters”以降はダンス性を増幅させ、シンセ・リフとフラッシュライトがシンクロする“Speed of Love”は、ダブステップのサウンドと生身のグルーヴが手を取り合う。

シンセ・ベースの入った“Beautiful Times”ではギターの音色がくるくると表情を変えるさまが楽しく、“Cave In”やメジャー・デビュー前の作品である“Designer Skyline”といった往年のナンバーも、楽曲が備えたドラマ性を引き出すように生まれ変わっていた。シングル曲のみならず、これまでのアルバム曲やEP曲がたっぷりとフィーチャーされたセット・リストは、一期一会の体感を刻み付けるこのサウンドで今こそ聴いてくれ、と楽曲自体が主張するようだ。奇麗な楽曲を大量に手掛けるアクトだとは思っていたけれど、エレクトロ・ポップとロック・サウンドの最良の部分を掛け合わせるこのパフォーマンスは、一朝一夕に完成するものではないだろう。

もちろん、オーディエンスの高らかな歌声が自然に導かれる“Shooting Star”や、アダムが「ケータイのライトを点けて!」と呼び掛けて美しいフロアの光景の中披露される“Fireflies”(音が蛍のように奔放に飛び交うアレンジも秀逸)といった人気曲だって健在だ。また、じっくりと届けられる味わい深い美曲“This Isn’t the End”や、アロー・ブラックのサンプリング・ヴォイスとU2ばりの華麗な空間系ギター・リフが持ち込まれる新作のリード曲“Verge”は、今のアウル・シティーに相応しい巨大なスケール感を導き出していた。控え目にして効果的なライティング以外には演出らしい演出も見当たらないのに、極めてドラマティックで、刺激的なスペクタクルが描き出されてしまうのだった。

そして本編は、SEKAI NO OWARIを友人としてコールするコラボ・チューン“Tokyo”へ。アダムがすべてのコーラスを受け持つ形のパフォーマンスになった。《When I'm in Tokyo》の大合唱を巻き起こして本編は締め括られ、「ありがとうみんな! またすぐに会おう!」とアダムは笑顔で告げて去る。アンコールに応えると、再びダンサブルに繰り広げられる“Hello Seattle”を披露し、やはりこれを聴かずには帰れない“Good Time”だ。文句無しの最高潮という特大シンガロングで、フィナーレを飾ってみせた。テクノロジーと肉体を高いレヴェルで融合させ、心の繊細な揺らぎから激しい高まりまでを描き出すこのライヴ・パフォーマンスは、今のポップ・ミュージックのひとつの理想型である。新作リリースと同様に、フジロックへの帰還を、ぜひ楽しみにしていて欲しい。(小池宏和)

[SET LIST]
1. Intro - Panoramic
2. Angels
3. Up All Night
4. Dreams and Disasters
5. Dementia
6. Speed of Love
7. Beautiful Times
8. Cave In
9. Designer Skyline
10. Shooting Star
11. Kamikaze
12. Meteor Showers
13. This Isn’t the End
14. Sky Diver
15. Fireflies
16. Gold
17. Verge
18. Deer in the Headlight
19. Wolf Bite
20. Tokyo

En1. Hello Seattle (Remix)
En2. Good Time

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アウル・シティーは新作『モバイル・オーケストラ』リリース直後、7月24日(金)~26日(日)に新潟県湯沢町苗場スキー場にて開催されるFUJI ROCK FESTIVAL '15への出演で再来日することが決定している。
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