アカデミー賞授賞式で最優秀楽曲賞の最終候補となっていた"Til It Happens to You"のパフォーマンスを披露したレディー・ガガは、このパフォーマンスのリハーサルでは自身のレイプ体験の精神的苦痛のためにろくに演奏ができなかったことを明らかにしている。
"Til It Happens to You"はアメリカの大学構内で横行している性的暴行事件の実際について迫るドキュメンタリー映画『The Hunting Ground』用のサウンドトラックとしてレディー・ガガが提供した楽曲だが、アカデミー賞でのパフォーマンスの終盤では性的暴行を経験した50名の被害者がステージに登場し、大きな感動を呼ぶことになった。
その後、レディー・ガガはInstagram上でこのパフォーマンスの最初のリハーサルについて振り返っていて、自身も性的暴行の被害者であるため、まるでうまくパフォーマンスができなかったと次のように明かしている。
「サヴァイヴァーのみなさんと最初のリハーサルをした時にはわたし自身がまるで使い物にならない状態でした。ステージに歩いていくだけで、身体中がひりひりして痛み、涙が出て身体が震えてくるくらいで。その前日は一晩中眠れなかったし。自分もこの集団に属しているんだということに、ついに直面することになると知ることの恐ろしさ。来てくれたみんなのために自分がレディー・ガガにさえなれなくて、なにか衣装をまとうこともできなくて申し訳ないとみんなには伝えて。曲もかろうじて歌い切れたというもので、高音部はどれもちゃんと声が出なかった。髪の毛も濡れたまんまでよれよれのTシャツとデニムとムートンブーツでティッシュを抱えてという格好で。でも、みんなわたしをハグしてくれて、これでいいんだといってくれて、というのはこの方がリアルだし、自分たちもまだ痛みを引きずっていることがわかったといってくれたのね。そして、このメッセージはきちんと聴かれる必要があると信じているから、わたしを支えるために舞台にいてくれるといってくれた。みんながいなかったなら、わたしはあれほど強い気持ちにはなれなかったと思う。わたしをわたしとして受け入れてくれて、それは最低のわたしだったけど、みんなにはそれでも充分で、みんなの勇気の魔力を通してどういうわけだか、わたしにとってもそんな自分でも大丈夫だと思わせてくれたの」
レディー・ガガのインスタグラムはこちらから。