プライマル・スクリームのボビー・ギレスピー、デジタル環境は音楽を破壊したと語る

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新作『カオスモシス』を3月16日にリリースしたプライマル・スクリームのボビー・ギレスピーはストリーミング・サービスに代表されるデジタル・コンテンツによって音楽は破壊されたと語っている。

ボビーはストリーミングの便利さについて語りながらも、音楽そのものにとっては足しになっていないと次のようにBBCに語っている。

「レコード会社の人が俺用のSpotifyのアカウントを用意してくれたんだよね。俺がプレイリストを作ったお返しだということなんだけど。サヴェージズの新作が1月に出た時にはレコード店に行く機会がなかったから、Spotifyで前半を聴いて、それから数週間後に買いに行ったんだよ。でも、このデジタル環境は音楽を破壊したと思うよ」

また、自分の10代の息子が「ストリーミングも使っているし、YouTubeも観ている」と次のように続けている。

「音楽は大好きなんだけど、なにも自分から買おうとしないんだよ。もう、そういうカルチャーに生まれてきちゃってるんだよね。

それをまた元に戻すことなんてできないけど、アーティストとして俺は自分を表現していかなきゃならないし、そのための一番いい方法はアルバムを作っていくことなんだ」

英国レコード産業協会の調べでは、ストリーミングでも有料サービスを利用しているユーザーの間ではCDやアナログ盤の購入数が増加傾向にあるというが、ボビー自身は悲観にとらえていると次のように語っている。

「音楽業界についての期待はもうゼロだから。レコード会社というのはもう株主のいいなりになってて、エリー・ゴールディングや中身のない女子シンガーやボーイバンドとか、ぼろ儲けできそうなものにしか投資しないんだよ。アートに先行投資することは絶対にないし、というのもアートが好きでやってることじゃないからなんだ」

さらに自分も「どれだけ労力を注いでも自分のアートで稼ぎを生み出すことはできなくなってしまった」と語っていて、さらに次のように続けている。

「もうアデルとかじゃなきゃ、レコードの収入で生活していこうなんて不可能な話なんだよ。俺たちやほかのいろんな人たちが置かれてる状況を考えると、もうみんなとにかくライヴをやりまくるしかやりようがないんだよ。ということはライヴ・サーキットそのものがもう大渋滞状態だってことなんだよね」
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