ザ・ローリング・ストーンズのキース・リチャーズ、終の住処はキューバ?

ザ・ローリング・ストーンズのキース・リチャーズ、終の住処はキューバ?

3月25日にキューバのハバナで無料コンサートを開催したザ・ローリング・ストーンズだが、現地を訪れていたザ・テレグラフ紙がライヴの様子を伝えている。

会場にはおよそ40万人が詰めかけたとされていて、キューバで開催されたロック・コンサートとして史上最大の規模になったという。キューバのファンを前にミック・ジャガーは「ハバナのみんな、こんばんは! やっとのことでぼくたちも来られたよ」と、まずは大袈裟でぎこちないスペイン語で挨拶し、次のように続けたという。

「ここキューバでは過去にぼくたちの音楽をなかなか聴けないことがあったのも知ってるよ。でも、今ぼくたちはここにいる! みんなに演奏するためにだよ。だから、ぼくたちはようやく時代は変わってきているんだと実感してるよ。そうだよね?」

一方、キース・リチャーズはその数日前にアメリカの大統領として88年ぶりのキューバ訪問を果たしていたオバマ大統領に触れて「オバマ、キューバ、ここに来られてほんと嬉しいよ」と語ったという。

セットは“Jumpin’ Jack Flash”ではじまり、“It’s Only Rock ‘N’ Roll(But I Like It)”、 “Tumbling Dice”、“All Down The Line(Song vote winner)”のほか、往年のヒット・ナンバーを披露する王道な内容となったが、途中でミックは次のようにキューバ入りしてからの行動を明かした。

「まずここに着いてからはイギリス大使館に行って、ウィスキーとフィッシュ・アンド・チップスをご馳走になったんだ。それからアローズ・イ・フリホーレス(煮豆とごはん)を食べに行って、その後はカーサ・デ・ラ・ムジーカ(有名なライヴハウス)でみんなでルンバを踊りに行ったんだよ……全部ほんとだよ」

なお、1959年の革命以来、社会主義政権が敷かれているキューバでは、63年にフィデル・カストロ議長が演説でロックンロールやそのファッションをブルジョア的で反革命的なものとして批判し、翌年からアングロ・サクソン系の音楽はすべて公共の電波に乗せることが禁じられることになった。しかし、この日のライヴに駆けつけた現地のファンで62歳になるデイヴィッド・ヤコなどは、キューバの東端にあるグアンタナモ米海軍基地(革命以前からアメリカ軍が借地権を得ている)での放送電波を自宅で傍受し、映画『ウッドストック』の放送も目にしてジミ・ヘンドリックスにしびれたという。ただ、ジミもまた薬物との関連を問題視され、キューバでは作品のラジオやテレビでの放送は禁止されていたという。こうした音楽を聴いたり演奏したりすることで、警察に検挙されることもままあり、重罪とはならないが一晩留置場に放り込まれるのが普通だったとやはりライヴに駆けつけたファンのエディー・エスコバルは語っている。

時代の変わり目となったのは2000年にフィデル・カストロ自身がジョン・レノンの彫像の落成式を催したことで、ジョンの歌詞が平和と人道主義に溢れていることにそれまで気がつかなかったと明かす演説をしたというが、エディーはその演説を聞いて自分はそのせいで数知れないほど留置場送りになっていたのにと複雑な心境になると同時に、実はカストロ議長もアングロ・サクソン系の音楽をしっかり聴いていたことがわかって呆れたとその当時の心情を語っている。

ミックはアンコールの“(I Can’t Get No) Satisfaction”を終えると「キューバのみんな、音楽をありがとう!」と観客に呼び掛け、キースはにんまりしながら「俺はここに住もうっと」と口にしたという。

3月25日 キューバ公演のセットリストは以下の通り。
Jumpin’ Jack Flash
It’s Only Rock ‘N’ Roll (But I Like It)
Tumbling Dice
Out Of Control
All Down The Line
Angie
Paint It Black
Honky Tonk Women
- Band Introductions
Midnight Rambler
Miss You
Gimme Shelter
Start Me Up
Sympathy For The Devil
Brown Sugar

ENCORE
You Can’t Always Get You Want
(I Can’t Get No) Satisfaction

http://www.rollingstones.com/2016/03/26/stonescuba-set-list/

また、バンドのTwitterで公開されたキューバ公演の模様はこちらから。

公式SNSアカウントをフォローする
フォローする
音楽WEBメディア rockin’on.com
邦楽誌 ROCKIN’ON JAPAN
洋楽誌 rockin’on