つい先頃、配信ムービーコミック『花にけだもの』の主題歌にも決定したことが報じられた、SKY-HIのニューシングル曲“ナナイロホリデー”(ニュース記事はこちら→http://ro69.jp/news/detail/146327)。軽やかなギターのカッティングが弾ける、いよいよの夏本番到来にもうってつけのブリージンなナンバーである。
“ナナイロホリデー”ミュージックビデオはこちら。
5月のシングル『クロノグラフ』から約2ヶ月半というスパンでリリースされた『ナナイロホリデー』だが、SKY-HI公式ブログによると、今回の作品は4月に声帯結節除去の手術を行った後に制作されたという。
オーガニックなディスコファンクに始まり、終盤にはエレクトロサウンドへと滑らかに移行するアレンジも鮮やかな表題曲“ナナイロホリデー”は、《モノクロの街を紅く染め上げて Feel so Fine/“最高”を始めよう!》というSKY-HIの呼びかけを運ぶ。術後のリハビリは相当タフなものになっているはずだが、それを追い越す勢いで、創作活動に向き合う喜びと意気込みが溢れ出す一曲だ。
さて、シングル表題曲でキャッチーな魅力を振りまくさまはいつものSKY-HIなのだが、カップリング曲ではラッパーとしてのストロングスタイルをまざまざと見せつけられることになる。しかも、今回のカップリング曲“Welcome To The Dungeon”は、あの“Enter The Dungeon”に続き、今春からテレビ朝日系『フリースタイルダンジョン』のエンディング曲として使用されてきたナンバーだ。
“Welcome To The Dungeon”ミュージックビデオはこちら。
重厚なビッグバンドサウンドがフィーチャーされたトラックの中で、《Welcome to the dungeon/また破れ去る誰かの夢/一夜で誰もがヒーローに/でも気を抜けば落とされる火の海》と熱を帯びる声が、ラップバトルの抜き差しならない緊迫感を伝える。番組の出演MCたちの名前を巧みに織り交ぜたリリックも秀逸だ。
類稀なアイデアとスキルをもって、メインストリーム・ポップとアンダーグラウンド・ラップの境界線を踏み越えてゆくSKY-HIは、今回のシングルで2つの角度から自身のみなぎる「意欲」を描き出している。また、フィジカル盤では「Music Video盤」に「LIVE盤」と異なる形態でそれぞれにDVDを同梱しているほか、iTunes版では幻惑的で狂おしい新曲“Blame It On Me”を収録し、これがまたかっこいい。
9月から年末にかけては、DJとのガチンコセットで繰り広げられるという全国20公演のライブハウスツアーも控えているが、それに先行して3年ぶりの帰還となるROCK IN JAPAN FESTIVAL 2016(8/6・PARK STAGE)では、バンドセットのステージが披露されるようだ。こちらもぜひ、楽しみにしていてほしい。(小池宏和)