illionの映画『東京喰種』主題歌“BANKA”は喰種も人間も救うような曲

本日、映画『東京喰種 トーキョーグール』の特別予告が公開され、illionの主題歌音源が解禁された。
今回の映像は、楽曲をフィーチャーしていることから、illionの曲が始まると楽曲が全面に押し出されるものとなっている。


初聴きしたとき、正直、期待を良い意味で裏切られた感があった。
今まで映画『東京喰種』で公開されていた予告映像では、激しいアクションが主だっていたことや、アニメではTK from 凛として時雨の“unrabel”やamazarashiの“季節は次々死んでいく”などの印象が強いことから、キャッチーさの中に闇を秘めた、作品の特徴的といえる部分に焦点を当てたような曲になると思っていたからだ。illionの楽曲でいえば“BRAIN DRAIN”のような、激しさや強さ、優雅さが現れている曲だ。

しかし、特別予告の途中から始まる“BANKA”は、ピアノとillion・野田洋次郎の儚げな歌声から始まる。そこには、以前、illionが同映画の主題歌を担当するというニュースであったコメント「スクリーンの中でもがくすべての登場人物たちの未来に、わずかでも光がありますようにと願いながら」のとおり、半喰種になってしまったカネキ、そのまわりの喰種たち、CCGや普通に生きている人間たちのそれぞれの苦悩に焦点が当てられ、救いを祈るさまが歌われているように思える。

この『東京喰種』という作品には、前述したとおり、アクションなど戦いのシーンも多いが、それは喰種と人間がそれぞれ生きていくための結果として行われるものであり、どちらにも苦悩と悲しみがあるからこその「闘い」が生まれるのである。
どちらも間違っていない。でも理解しあえない。喰種にだって愛はある。人間だって普通に生きたい。どちらも生活を守りたい。それぞれがもがいて、それでも自分たちが生きていくための葛藤を描いた作品世界を歌った曲だと感じた。

今回の映像では、カネキの「この世界は間違っている」という叫びが印象に残る。
カネキの赫子が明らかになったり、クインケを振りかざすCCG・亜門との戦いのシーン、それに加えて、あんていくでの微笑ましい「普通」の生活も描かれており、この作品における「陰」と「陽」のような部分が3分という短い時間で表されている。
illionの主題歌が解禁されたことで、作品世界がさらに彩りを観せ、漫画ともアニメとも違った映画『東京喰種 トーキョーグール』がどのように描かれるのか、より公開が楽しみになった。(中川)
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