ライブや音楽フェスの観客動員数がイギリスでは過去最高に。海外からの観光客も激増

イギリスにおいて音楽フェスやライブの観客動員数が史上最高を記録したと「ガーディアン」誌が報じている。

観客動員数に関する調査はイギリスの音楽業界団体「UKミュージック」の研究機関「Wish You Were Here」が行ったもので、フェスやライブの参加者はこの1年で12パーセント増加し、40億ポンド(約5840億円)もの経済効果をもたらしたという。

2015年に2770万人だった観客総動員数は2016年、3090万人を記録していて、さらにフェスへは400万人が足を運んだという。現在、音楽業界において最もニーズと収益が高いのがライブ・イベント関連で、大多数のミュージシャンの収益もライブのチケットとマーチャンダイジングによるものになっている。

また、ライブ・イベントのためなら、国内はおろか海外からの移動もものともしないファンがさらに増えていて、音楽関連観光客は昨年比で20パーセント増加し、およそ100万人もの観光客が海外からライブやフェスのためにイギリスに渡り、平均で850ポンド(約12万4千円)の出費を行ったという。

「UKミュージック」代表理事のマイケル・ダガーは今回の数字を次のように解説している。

「イギリスにおけるライブ・ミュージックはとてつもない成功を生んでいて、わたしたちのカルチャーにとっても、わたしたち自身の精神衛生にとっても、わたしたちの経済にとっても非常に大きな貢献を果たしているのです。我が国の才能を世界中の人々にお見せするものになっていて、毎日数百万もの人々に喜びをもたらしています」

ただ、その一方で特に観客収容1500人以下の小規模会場では収益が急激に減少している状態だという。こうした小会場はここ10年で軒並み閉鎖に追い込まれていて、経費の高騰、地上げや不動産開発業者からの圧力、営業免許の厳しさなどの影響で、たとえばロンドンではここ10年で35パーセントも減少しているという。

しかし、こうした小さなライブ会場こそが「ライブ音楽業界の核となっているものだ」とかつて労働党の国会議員でもあったダガーは力説していて、存亡のために日々奮闘している小規模な会場を守るために「UKミュージック」はさらなるキャンペーンを展開していくという。
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