今年はUNISON SQUARE GARDENの結成20周年の年。心を込めておめでとうを言いたいのだが、そのおめでとうには少し重い意味がある。20年経って思うけど、今までないことを思いついて、
それを心を込めて作って、人に喜ばれるのがすごく好きなんですよね。
この後の人生もそれをやっていくために生きていくんだと思う
UNISON SQUARE GARDENと同世代の、あるいは同時代のバンドはみんな紆余曲折のキャリアを歩んでいる。もちろん今でも最前線で活躍しているバンドも数多いが、解散したバンドやメインストリームにいなくなってしまったバンドも多い。ASIAN KUNG-FU GENERATIONやELLEGARDEN、サンボマスター、ストレイテナーなど2000年代のバンド黄金時代の次世代として登場したUNISON SQUARE GARDENの世代は、それぞれに新しい道を探しながら試行錯誤を繰り返して2010年代を闘ってきたのだ。そして今、残ったバンドと、残らなかったバンドがいる。そんな長い経緯を知っているから、UNISON SQUARE GARDENのこんなにも晴れやかで健全な20周年に僕は少し重い意味も込めておめでとうと言いたいのだ。
自分たちがいつでもちゃんと「ロックバンド」であること、そしてリスナーからちゃんと「ロックバンド」として支持されていること、このふたつのことだけに忠誠を尽くして20年間。だから彼らの音楽性にこれまで迷いはなかったし、彼らの演奏や歌に破綻や緩みはなかった。これからも彼らならきっとそうだろう。20周年を迎えたUNISON SQUARE GARDENは、変わらぬ3人のまま見違えるように逞しい。
インタビュー=山崎洋一郎 ポートレイト撮影=後藤倫人 ライブ撮影=Viola Kam(V'z Twinkle)
(『ROCKIN'ON JAPAN』2024年11月号より抜粋)
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