【JAPAN最新号】秋山黄色は歌う死と絶望のリアルを──アルバム『Good Night Mare』ロングインタビュー

【JAPAN最新号】秋山黄色は歌う死と絶望のリアルを──アルバム『Good Night Mare』ロングインタビュー

音楽は一生作れるけど、歌詞ってやっぱりね、リアルに嘘をゼロで書くってなると、俺はどうしてもこういうこと書かなきゃだから

恋や愛を歌う歌をラブソングと呼ぶなら、痛みや絶望を歌う歌はなんと呼ぶのだろう。ペインソングとでも呼べばいいのだろうか。
いずれにしても秋山黄色はこれまでずっと痛みや絶望を歌ってきた。痛みや絶望を歌った歌は、聴く人の痛みや絶望に輪郭を与え、緩和するということを秋山黄色は知っているからだ。
最新アルバム『Good Night Mare』でもその基本は変わらない。ただ、根本的に大きく違うのは、今作は「自分の」痛み、「自分の」絶望に向き合うことに徹しているという点だ。このアルバムは、自分の痛みと絶望に向き合ったペインソングと、その痛みと絶望をつかの間でもぶっ飛ばすペインキラーの2種類の歌に絞り込まれている。そしてラスト曲のPEOPLE 1のDeuをフィーチャーした“Caffeine Remix feat.Deu”は、痛みと絶望が血管に流れているふたりが声を合わせるとこんなにも聴く者の心を掴むのかと熱くさせられる最高のファイナルソングだ。
素晴らしいアルバム。秋山黄色にとってはハードでヘヴィな時期に作られた苦闘であると同時に、ペインソングの美しさと有効性のレベルをぐっと上げた画期的なアルバムでもある。

インタビュー=山崎洋一郎 撮影=澁谷征司
(『ROCKIN'ON JAPAN』2024年11月号より抜粋)


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