彼らが今回「anti sleeps」と名づけたこのツアーに招いたゲストの面々にも、「概念を飛び越えて」という意図がはっきりと示されている。地元の仲間、敬愛する先輩、同世代の盟友、自分に刺激を与える存在である後輩、そしてバンドとは違うやり方でシーンで戦い続けているシンガーソングライターやグループ。オファーの理由や関係性はそれぞれだろうが、この幅広いラインナップと(清水のコメントによれば)「血湧き肉躍る攻防戦」をやってやろうという今のback numberのモードとはどんなものなのか。それを見届けたくて、9月1日、福岡に飛んだ。
前置きが長くなったが、ツアー4ヶ所目、マリンメッセ福岡A館の2デイズでback numberが迎えるのは、今回のメンツの中では唯一の女性バンド、SHISHAMOである。台風一過の晴天に恵まれた福岡で、SHISHAMOはback numberへのリスペクトを全面に出しながらまっすぐに自分たちのライブを繰り広げ、back numberはその思いをこちらもまっすぐに受けて立った。
文=小川智宏 撮影=田中聖太郎
(『ROCKIN'ON JAPAN』2024年11月号より抜粋)
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