30分ほどのステージながら、聴く者の心のフィルターを全開放するような抗い難いさユりの歌の魅力が存分に発揮されたアクトだった。
「あなたが居場所です。あなたが完璧でなかったから、この場があります。私があります」
さユりの歌を求めて集まった多くの人たちに、彼女はそう語りかけていた。
デビュー曲“ミカヅキ”以降、己の欠落と真っ向から向き合うことで、それ自体を希望の歌として渾身の力で響かせてきたさユり。むせ返るような夏の熱気も曇天の景色も鮮烈に貫くさユりの歌声は、まさに人間を突き動かす音楽の神秘そのものだった。
ライブの模様は改めて詳しくレポートします。また、8月30日発売のJAPAN10月号では、7つのキーワードでさユりの本質に迫る独占インタビューが掲載されるのでそちらもお楽しみに。(高橋智樹)