yonigeは、そんなことにトライし続けているロックバンドだと思う(“ぼく”が主人公の曲もあるけど)。もちろんあえての変顔もしないし、動物の鼻とか耳とか合成しない。
「すっぴんです」の注釈付きのすっぴんとか絶対ない。
恋に強い自分を鍛えようとする女の子は、本当は恋するのが怖いんだ。
異性が怖いんじゃない、恋をして剥き出しになる本当の自分が怖いんだ。
yonigeのロックの主人公はそうじゃなくて、恋をして剥き出しになった女の子の心を、女の子の誇りに掛けて恐れずに曝け出して生きている。僕は男だから完全に共感できると言ったら嘘になるけれど、彼女たちの鳴らす覚悟に何の濁りもないことはわかるし、このアルバムを聴いている間、ずっと耳から胸の奥に流れ込んでくる痛みのパルスをたまらなく愛しく感じる。(古河晋)