君は「ドミコ体験」をしたか? 注目の2ピースバンド・ドミコの不思議な魅力

君は「ドミコ体験」をしたか? 注目の2ピースバンド・ドミコの不思議な魅力
君はもう「ドミコ体験」をしただろうか?

「ドミコ体験」とは、さかしたひかる(Vo・G)と長谷川啓太(Dr)からなる2ピースバンド・ドミコの曲を聴いた時に現れる現象。どこかで聴いたことがあるような親しみ感があるけど、やっぱり全く聴いたことがない。そんなデジャブみたいな感覚を覚えつつ、不思議なほどに「カッコいい」としか形容することが出来ないサウンドにまるで白昼夢を見ているような気分になること。それが「ドミコ体験」であり、私の造語である。

私の最初のドミコ体験は2014年。下北沢のヴィレッジヴァンガードをあてもなくフラフラしていたら、店内に流れている色んなBGMの中から1つだけ、明らかにカッコいい音楽がどこからか聴こえてくる。「知ってるバンドだっけ?」と思いながら、背丈よりも高く色んな雑貨が積まれた森のような店内を練り歩いた。そしてたどり着いたのが、ドミコの1stミニアルバム『深層快感ですか?』が展開されているコーナー。私はそこからしばらく、モニターに釘づけになってしまった。


ドミコはそのミニアルバムの後、翌年には2ndミニアルバム『Delivery Songs』、そして2016年には1stフルアルバム『soo coo ?』を発表。初めての全国ツアーをまわり、このあたりからドミコの浸透率はグイッと急上昇していく。そして今年、7月には「FUJI ROCK FESTIVAL '17」に初出演を果たし、いよいよ今月18日には2枚目となるフルアルバム『hey hey , my my?』をリリースした。

バンドは活動の規模が大きくなっていくにつれ、音楽性が変わっていくことがある。というより、より多くの人に届けるには少しずつ変わっていくことが必要不可欠なのかもしれない。しかし、ドミコは今作でも、私が初めてドミコ体験をしたときと同じ、いや、それ以上の新鮮な感動を与えてくれた。ドミコがドミコとして、さらにドミコになっていくために磨き上げられている。今回のアルバムを一聴してそんな印象を覚えた。


2ピースバンドというと個人的にまず、ザ・ホワイト・ストライプスが思い浮かぶ。最初にホワイト・ストライプスの音を聴いたのはライブ音源だったのだが、今までにない衝撃を受けてぶっ飛んだ。明らかに音数が少ないのにその分、ジャック・ホワイトが弾くビンテージギターのノイジーな爆音、そしてメグ・ホワイトのテクニカルと言えるわけではないけれど、ある意味女性らしい爆発力と迫力あるドラムの音。2ピースでもこんなにカッコいいのか、いやむしろこのバンドはふたりだからこそ、こんなにカッコいいのかもしれない、と思った。

そしてドミコも、そんなふうに「ふたりだからこそ」生まれる音がめちゃくちゃいい。さかしたのギターは、ダンエレクトロの魅力の1つでもある、良い意味でチープ感ある音色が60-70年代のガレージロックを匂わせつつも、そのサウンドはクリアで全く古臭くない。ライブでは音を重ねるのにルーパー(今弾いたギターフレーズをループさせることが出来るエフェクター)を用いるという、アナログな手段をとっているところもたまらない。そしてキレッキレで正確なのに、どこかそのクールさに狂気が滲むドラミング。それに乗せて放たれるけだるい歌声、英語と空耳してしまう浮遊感ある歌詞、冒頭でも書いたように、いつか聴いたカセットテープに入っていた洋楽インディーロックだったか、夢の中だったか、どこかで昔出会ったことがあるような感覚。これら全てひっくるめてドミコサウンドの魅力なのである。


ここまでいろいろと書いたが本当は、説明しなくてもドミコのカッコよさはまさに「一聴瞭然」。こんなことを言うのは、コラムを書いている身としては失格かもしれないが、ドミコの音楽をいちいち説明することは野暮なのかもしれないとさえ思う。変な意味や意図など隠れていない。ただ、ドミコが「カッコいい」と思う音楽を本能的に鳴らしているだけ、そしてそれが結果的に超カッコいいサウンドに仕上がっているだけなのだ。さかしたが出演した音楽番組で、“まどろまない”(『soo coo ?』収録)の意味を訊かれて、「『まどろまない』と口にした時の舌の動きが好きで……」と答えているのを観たとき、「あぁ、本当に感覚の人なんだな」と思った。「この感じ、なんか説明できないけどほら、良いじゃん?」その「良いじゃん?」のセンスが抜群なのだと思う。


もう1つ、さかしたの言葉で印象的なのが、先日公開されたドミコ×ホリエアツシの対談記事の中にある。リスナーに自分たちの音楽をどう捉えてほしいかという問いにさかしたは「まったく何も考えてない」とした上で、「ほんと、3歳児が砂場で何か作ってるのを、お母さんに見せて自慢するような感じなので」と答えていた。この解答に個人的にビリビリ痺れたのだが、たぶん、本当にそうなのだと思う。でも、その砂で出来たものはセンスの塊で、見せるたび私たちをざわつかせてしまうのだ。(渡邉満理奈)

ドミコ・さかしたひかるとストレイテナー・ホリエアツシの対談が実現!
ドミコの2ndアルバム『hey hey,my my?』が2017年10月18日(水)にリリースされる。 このアルバムがめちゃめちゃかっこいい。 1stの『soo coo?』にしても、独特のローファイ感とサイケデリックなガレージロックのサウンドに、新たな日本のロックの可能性を強く感じたのだけれど…
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