「欠落」、「喪失」など人それぞれ異なる意味を持つ心の「空白」に、その凜とした歌声の力で渾身の光を照射していくような、心震えるアクトだった。
「今日は一緒に楽しみましょう。よろしくね!」とオーディエンスに呼びかけ、映像を透過スクリーンの向こうから「すっごい見えとるよ!」と初ホールの実感を語っていたさユり。
「みんなの空白が、このライブの色になると、形になると思った」――そんなさユりの言葉通り、報われようのなかった魂が一曲ごとに鮮烈な色彩と希望の手触りに満ちて響く、特別な一夜がそこにはあった。ライブの内容は改めてレポートで詳報します。(高橋智樹)