新ベスト盤をリリースしたグリーン・デイ、新録曲&新曲が示すこれから

新ベスト盤をリリースしたグリーン・デイ、新録曲&新曲が示すこれから

11月17日にベスト・アルバム『グレイテスト・ヒッツ:ゴッズ・フェイバリット・バンド』を世界同時発売したグリーン・デイ。彼らのベスト・アルバムといえば、2001年にリリースされた『インターナショナル・スーパーヒッツ!』以来なので、実に16年ぶり。

その後『アメリカン・イディオット』(2004年)、『21世紀のブレイクダウン』(2009年)、『ウノ!』『ドス!』『トレ!』(2012年)、そして約4年間の活動休止を経た『レボリューション・レディオ』(2016年)と、言うまでもなく重要なアルバムをリリースしてきたわけで、このタイミングでのベスト・アルバムは、満を持してと言っていいだろう。

Green Day - 2000 Light Years Away

収録曲は、Lookout! Recordsから1991年にリリースされた2nd『カープランク』の“2000 Light Years Away”にはじまり、各アルバムから満遍なく厳選されたキラーチューン20曲。さらに、ミランダ・ランバートとデュエットした新録の“Ordinary World(feat Miranda Lambert)”と、新曲“Back In The USA”も収録されている。

この2曲を聴くと、今作が「総括の意味合いだけではない、改めて彼らが唯一無二の存在であることを知らしめ、その次なる動向を示唆するベスト・アルバム」であるというメッセージが込められているように感じられるのだ。

Green Day - Ordinary World feat. Miranda Lambert

“Ordinary World”は、『レボリューション・レディオ』に収録されていた楽曲だが、カントリー・シンガーであるミランダ・ランバートとデュエットすることによって、さらに深く美しい仕上がりとなった。

2014年に行われた第56回グラミー・アワードで、ビリーとミランダはエヴァリー・ブラザーズのフィル・エヴァリーへの追悼のためにデュエットを行ったが、その流れが今回のデュエットにも結び付いたのだろう。

そして、新曲“Back In The USA”は、シンプルなバンドサウンドの中でイキのよさと切なさを掛け合わせたーーつまり、彼らの王道を行く楽曲である。そこで歌われる、「アメリカ」という彼らが逃れられないテーマ。“Ordinary World”にも通じてくるけれど、歌詞も曲も、そぎ落とした中で、本質だけをピッカピカに磨いていく方向に進んでいるように思える。

Green Day - Back In The USA

ポップパンクやパンクオペラといった「肉付け」で進化してきた彼らが、原点回帰作と言われた『レボリューション・レディオ』を経て、こういった方向性を見せてきたところが興味深い。今作をじっくりと堪能しながら、今後の動向も期待して待ちたいと思う。(高橋美穂)
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