今年9月にニューヨークのハマースタイン・ボールルームにて行われたライブ中にステージ上の事故によって大怪我を負ってしまったマリリン・マンソン。
現在は無事ライブに復帰しているマンソンだが、『ロッキング・オン』1月号には、ライブ事故によって自宅療養中であるマンソンへ行った電話インタビューが掲載されている。
前作でアメリカ南部の雰囲気がボーカルとマッチして新境地を示した一方、新作『ヘヴン・アップサイド・ダウン』でその路線を追求することは考えなかったのかを問われたマンソン。その質問に対し「そういう要素は今作にも、目立たない形ではあるけど入ってるよ」とR&Bやブルース的なテイストがある曲を数曲挙げて回答。
更にプロデューサーのタイラー・ベイツとのやり取りで生まれた今後のライブにおける展望も語ってくれた。
タイラーが昨日も電話をかけてきて、「アコースティックな演奏をライヴでもやってみないかい?」と提案してきたんだ。アコースティックなアレンジも大好きなんだ。今までやったことないし、それを言ったらステージでジャムるなんてこともしてきてないけど、これからはそういうやり方にも慣れていくんだろう。ジム・モリソンの魂が俺に降りてきているのかも(笑)。
現在のトランプ政権の中で、マンソンだけが従来のイメージのままでアメリカの抱える狂気に拮抗していること、そして「ヤバさ」を保っているロッカーは自分しかいないという自覚があるかを問われた彼は、以下のように答えている。
ああ、それはわかる。歌詞の中で声高に主張すること。やりすぎなほど派手なメタファーを使うのは、ある意味、予想の範疇に収まっているってこと。「“いかにもアートをやっています”っていうふうには見られたなくない」と言う人もいるけど、俺はアートに見られたいと思って頑張ってる(笑)。俺はやっぱり、結果として出来たものを見てもらいたいね。
俺の目標は常に、わかりやすいところから脳に入り込んで、既存の概念をひっくり返すことだ。悪魔の最大の武器は、誰もやつの存在を信じないというところだからね。「マリリン・マンソンがまた煽ってるだけだろ」って思う人もいるかもしれないけど、そういう人は俺の音楽が誰かにとって大きな意味を持つものだってことをわかってない。俺がこうして突きつけてくる問題を、彼らはもっと気に病むべきだと思うね。
そのほかにもインタビューでは、今作が当初の発売予定日より延期された理由など『ヘヴン・アップサイド・ダウン』の制作の裏話が掲載されている。マンソンの確固たる信念を本記事を読んでぜひ感じてほしい。
『ロッキング・オン』1月号の詳細はこちらから。
http://www.rockinon.co.jp/product/magazine/144146