ワインスタインのセクハラが暴露されて、音楽業界でも次々に女性が過去のレイプ、性的虐待について告発している。
まずは、マリリン・マンソンの長年のバンドメンバーであったトゥイギー・ラミレズが、レイプを告発されバンドを解雇された。マリリン・マンソンが「悲しい日だ」と、インスタグラムとツイートで解雇を決断したと発表している。
告発したのは、トゥイギーの元彼女でJack Off JillのシンガーであるJessicka Addams。90年代にレイプされたことを、現地時間10月20日、フェイスブックにポストしている。
彼女は、トゥイギーと18歳の時から付き合い始めたらしいが、すぐに肉体的また言動による虐待が始まり、それがすぐにエスカレートしていったそうだ。ある時、トレント・レズナーと会話していたら、それを見て思いきり嫉妬し、即座に家に帰ることになり、その帰りの車で、車のミラーをぶち壊すなどあまりに暴力的になったため、その時真剣に家を出ることを考えたという。
レイプされたのは、彼がマリリン・マンソンとNINとのツアーから帰って来た時で、「その時点で、彼が私が今でも尊敬するようなミュージシャン達と浮気しているのが分かっていたので、言い争いになった。そこで彼は、私の首を掴んで、床に抑え付けたので、私はNO NOと大声で言い続けた。あまりに大きな声だったので、ルームメートが助けに来てくれた。でもその時までには、私は彼にレイプされていた。私は自分が愛していた人にレイプされた」
彼女はそれをすぐにレコードレーベルに言ったそうだが、レーベルからは、それは公にしてはいけないと言われたそう。そんなことを言ったら自分達のバンドがコンサートプロモーターや、ラジオプログラマーや、他のバンドや、マネージャーから相手にされなくなるから、と。
また、クリスタル・キャッスルズを辞めたアリスの告発もあまりに悲痛だ。アリスも元々は名前を明かすと、逆に虐待される恐れがあると思って言えなかったと書き記している。しかし、最近女性達が告発しているのにインスパイされて公表することにした、ということだ。
http://www.alice-glass.com/cc/
クリスタル・キャッスルズを辞めたのは、バンドメンバーのイーサンにセックスを強要され、セックスしないなら、バンドにはいれない、と言われたから、というのが大きな理由だが、その詳細はもっと酷い。ほとんど奴隷のような関係性だ。
イーサンは、アリスと15歳くらいの時に出会い、彼女の精神的に弱い部分を見付けて、常にコントロールしようとしたという。酒やドラッグを与え、同意していないのにセックスをしたりもしたそう。
16、17歳の時に、CDをもらいそれに合わせて曲を書いてみるように言われたそう。それで、メロディと歌詞を書き、自分が気に入ったものをレコーディングすることになったということ。しかし、最初のEPを一緒に作った時も、スタジオで、エンジニアが自分に性的虐待を加えたそう。それをイーサンに言っても笑っていたばかりかむしろ要請したんだとか。
さらに、彼女がちゃんと作ったものであったにも関わらず、その曲を“Alice Practice”(アリスの練習)と呼んで、メディアには、「スタジオでアリスがマイクテストをしている時に“偶然”できた曲」と語ったそう。そうやって彼女の自尊心をわざと傷付けてコントロールしようとした。
その後すぐにバンドが軌道に乗り注目を浴びる様になったら、イーサンは益々アリスをコントロールするようになった。食べ物や、誰としゃべってよいのか、どこに出かけていいのか、公で何を言っていいのか、何を着ていいのかなどまで決めた。インタビューなども自分が必ず一緒で、自分がコントロールできる状況でなかったら受けてはいけないと言われていたそう。さらに、イーサンは、自分の価値がしっかりと評価されていないと思っていたそう。
そこから、すぐに肉体的な暴力を受けるようになったそう。「階段の上に連れていって、下に投げつけると言ったり、彼の肩まで私を持ち上げてコンクリートに投げ付けたりした。私の痣の写真を撮って、それをウェブサイトにポストしたりした」
さらに「私のすべてをコントロールしようとした。自分の電話は持たせてもらえなかったし、クレジットカードも持たせてもらえなかった。私の友達も彼が決めて、私個人宛のメールも全部読んでいた。ソーシャルメディアも限定し、食べ物も決めた」
「さらに、私は最悪で、ライブに来てくれる人はみんな彼の楽器に興味があるからで、私はバンドを台無しにしている、と言った。シャワーを浴びている時に、ガラスを壊して、私を怖がらせたり、私の女らしさがレイプをする人達のターゲットになるから、彼しか自分を守れる男はいないと言った。そして、彼とセックスすることを強要し、セックスしないなら、バンドにはもういられないと言った」
「私はあまりに惨めで、その時の苦痛が間接的に歌詞に表れるようになった。しかし、虐待関係がよくそうであるように、彼は虐待した後は、いきなり優しくなったりした。また、私への虐待を他の誰にも分からないように隠すのがすごく上手かった。それに何より私は、一緒に作った自分達のバンドが心から大好きだった。だけど彼はよく、私のポジションは簡単に他の人に変えられると言い、実際本当に代わりの人を捜していると言って、私を精神的に追い込んだ。
かと思えば、私しかいないと言って、私を信じていると言った。『これは、僕ら対、僕ら以外の人達との戦いなんだ』と言った。なぜなら、僕ら以外の人達はみんな、私を、ルーザーで、最悪で、才能がないのに踊ってるだけのピエロだと思っているからと。私は彼が言っていることを信じて、いつも自殺したい気持ちだった」
「クリスタル・キャッスルズを辞めるというのは、私の人生で最も難しい決断だった。なぜならバンドが私のすべてだったから。私の音楽、パフォーマンス、ファンは、私のすべてだった。それでもそれを捨てて、一から始めることにしたのは、そうしたかったからではなくて、そうするしかなかったから。それは本当に難しい決断だったけど、でも、最高のものだったということが分かっている。ただ10年以上にも及ぶ肉体的、精神的な虐待を耐えてきたので、そこから、立ち直るのには相当時間がかかる。というか、今もそこから立ち直ろうとしているところだから」
これをイーサンは、弁護士を通して、完璧な作り話しだと語っているそう。
https://pitchfork.com/news/alice-glass~
追記:
トゥイギーが、レイプの告発を受けて声明文を発表した。「Rolling Stone」誌が報じている。
http://www.rollingstone.com/music/news/twiggy~
「20年前に起きたことに対する申し立てを最近になって知らされました。私は、どんなものであっても同意のないセックスはあってはいけないと思っています。これからは、家族と過ごし、ここ数年、酒もドラッグも止めているので、引き続きそれに専念していきたいと思っています。もし私が誰かを傷付けたのだとしたら、謝りたいと思います。心から後悔しています」