実はあの人の奥さんや父親だった? 愛情とメッセージ溢れる「家族」ジャケ5選

 実はあの人の奥さんや父親だった? 愛情とメッセージ溢れる「家族」ジャケ5選

12月1日にリリースされたU2のニュー・アルバム『ソングス・オブ・エクスペリエンス』。そのモノクロームなジャケットには、何とも言えない表情で佇む2人の男女が写っている。

その正体は、U2のボノの息子とジ・エッジの娘だという。前作『ソングス・オブ・イノセンス』もドラムのラリー・マレン・ジュニアの息子が写っていたが、今作もその流れを汲んだ作品であることをジャケットからすでに表現している。

ここでは、そんなジャケットに「家族」が被写体となって登場するアルバム5枚を、誰が写っているかなども交えながら紹介する。

ケンドリック・ラマー『グッド・キッド、マッド・シティー』(2012)
 実はあの人の奥さんや父親だった? 愛情とメッセージ溢れる「家族」ジャケ5選

今年リリースされた4thアルバム『ダム』が第60回グラミー賞にノミネートされるなど、まさにキャリアの最高潮を迎えているケンドリック・ラマー。彼の2ndアルバム『グッド・キッド、マッド・シティー』のジャケットには幼児期のケンドリックを始め、彼を抱く叔父と父、祖父が写っている。ただ、ケンドリック以外、全員目が隠されていて何やら物騒な雰囲気が漂う1枚だ。

ケンドリックの生まれた米カリフォルニア州コンプトンは、国内でも治安が悪いことで有名だ。この「家族」写真を起用したジャケットからは、そんな混沌とした街で生まれながら、グラミー賞にノミネートされるほどの人物になれるという自信も覗かせているのかもしれない。まさにタイトル「グッド・キッド、マッド・シティー=狂った街の真っ当なガキ」にふさわしいジャケットになっている。

トゥイーディ『スーキーレイ』(2014年)
 実はあの人の奥さんや父親だった? 愛情とメッセージ溢れる「家族」ジャケ5選

2014年にウィルコのジェフが自身の息子スペンサーと結成した親子ユニット、トゥイーディによるアルバム『スーキーレイ』。ジャケットには子供時代のスペンサーの写真が用いられている。

元々はジェフがソロ作を制作中だったものの、全曲のドラムをスペンサーが担当したことでトゥイーディ名義でリリースすることに。だが、制作と並行してジェフの妻であるスーザンが癌であることが判明。ジェフはスペンサーとともに妻を支えながらアルバム制作を続けたという。結果、スーザンを支えながら出来上がったアルバムは、そのまま「家族」をテーマにした作品に仕上がった。
アルバム・タイトルの「スーキーレイ」はスーザンのニックネームをもじったものなのだとか。

ドレイク『モア・ライフ』(2017)
 実はあの人の奥さんや父親だった? 愛情とメッセージ溢れる「家族」ジャケ5選

今年3月にリリースされたドレイクの新作『モア・ライフ』のジャケットには、ドレイクの父デニス・グラハムの若かりし姿が写っている。

以前は確執もあったという2人だが、今ではとても強い親子愛で結ばれている。それはお互いが相手の顔を身体にタトゥーとして掘ってしまうほどに。ミュージッシャン/シンガーとしても活躍するデニスの写真を掲げたアルバムのタイトルが「モア・ライフ=よりよい人生を」と名付けたのもドレイクなりの親孝行なのかもしれない。

ノエル・ギャラガーズ・ハイ・フライング・バーズ 『フー・ビルト・ザ・ムーン?』(2017)
 実はあの人の奥さんや父親だった? 愛情とメッセージ溢れる「家族」ジャケ5選

ノエル・ギャラガーのソロ3作目となる『フー・ ビルト・ザ・ムーン?』のジャケットも、実は「家族」が関係した1枚だ。

壮大な風景とともにジャケット左下に背を向けて立っている女性はノエルの妻であるサラ・マクドナルド。サイケデリックなデザインのジャケットにさりげなくも印象的な存在として作品に華を添えている。


実際は別の女性の写真が使われるようだったが、使用権利の問題上使えず、代わりにサラがモデルとして起用されたのだそう。偶然とはいえ、ノエルとサラの関係を表す微笑ましい話である。

U2『ソングス・オブ・エクスペリエンス』(2017)
 実はあの人の奥さんや父親だった? 愛情とメッセージ溢れる「家族」ジャケ5選

冒頭でも軽く触れているが、U2の新作『ソングス・オブ・エクスペリエンス』には、それぞれボノの息子イーライ・ヒューソンとジ・エッジの娘ショーン・エヴァンスが写っている。ジャケットは過去にも『ヨシュア・トゥリー』や『ウォー』のジャケットも手がけた写真家アントン・コービンによるもの。

イーライとショーンは、モノクロの写真の中で素足のまま、手をつないでどこか物悲しい表情をしているように見える。果たして2人がこれからどこへ進むのか。そんな想像をしながら今作を聴いてみても面白いだろう。



ここでは5枚のアルバムとそのジャケットについて紹介したが、実際はまだまだ「家族」が写った作品はあるはずだ。そんな聴き手の想像力を掻き立ててくれるジャケットを、ぜひ探してみてほしい。
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