『いちごの唄』を読んで銀杏BOYZについて改めて考えた

『いちごの唄』を読んで銀杏BOYZについて改めて考えた
銀杏BOYZは、最初からバンドでありながらバンドというものを超越していたと思う。
言うなれば『ゴッドファーザー』とか『スター・ウォーズ』とか『ガンダム』とか『エヴァンゲリオン』みたいな、最初はある突出した才能が生み出した創作物だったかもしれないけれど、最終的にはそれに人生を決定づけられたり、救われたり、本来の自分に気づかされたりした人たちのものになって、教祖のいない宗教のように時を超えて続いていくもの。
峯田和伸は、これからも銀杏BOYZとして音楽を作ってライブ活動をしていくだろう。
しかし脚本家の岡田惠和さんが銀杏BOYZの7つの楽曲から紡いで書き下ろし、2019年に映画化されることも決まっているという小説『いちごの唄』を読んで、バンドとしての銀杏BOYZが不定形に見える今こそ、物語としての銀杏BOYZが多くの人の手によって自由に形作られていくべき時なのだと思った。
岡田さんは、峯田よりも20歳近く年上のベテランの文筆家だけど、この物語は銀杏BOYZを聴いて思春期を過ごした若者が書いたかのように瑞々しく、それでいて二次創作ではなく、銀杏BOYZのオリジナル作品のひとつだと感じられる。
あのライブの迫力が息づいているのだ。
年齢も性別も表現のジャンルも関係なく、もはや自分は銀杏BOYZの一部だと感じている人がいたら、自分のやり方で銀杏BOYZという物語を紡ぐべき時が来たのではないだろうか。
もちろん峯田和伸自身が紡ぐ銀杏BOYZと同じ時を刻みながら。(古河晋)
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