米音楽市場、アーティストの収入は総収益の12%であったことが明らかに。消費者支出は過去最高

シティグループの調査報告により、2017年にアメリカのミュージシャンが得た収入は、彼らの音楽が生み出した総収益のうちの12%であったことが分かった。ただ、この数字は2000年の7%からは増加しているという。このレポートによると、「(コンサート、音楽配信サービスなどによる)消費者支出は過去最高に達して」おり、2006年から2010年にかけて一旦減少したが、再びピークに達しているということだ。コンサートのチケットにかける支出は特に急速に伸びており、印税支払も過去最高の73億ドル(約8100億円)に達し、40億ドル(約4440億円)に落ち込んだ2008年と比較すると顕著に伸びている。シティグループは、リスナーが定額料金を支払って外出先で音楽をストリーミングすることを可能にしたスマートフォンの使用がこの成長を支えていると指摘している。

なお、報告書には次のように記されている。「エンターテイメントの大多数の形態においてはアーティストが利益の最大の分け前にあずかります。しかしながら音楽業界には多くの仲介があり、音楽の消費方法も様々なプラットフォームに細分化されているため、アーティストは総収入のうちのわずかな額しか得ることができないのです」ミュージシャンの収入は、主にはマネジメント、レコード会社、音楽出版社、そしてストリーミング・サービスやラジオ局などのプラットフォームと、複数の経路へと吸収されていく。さらにアメリカにはインターネット・ラジオ局「SiriusXM」やオンライン・ラジオ・サービス「Pandora」への消費者支出もあり、どちらもアーティストに印税を支払ってはいるものの、ラジオ局が収益のうちかなりの取り分を得ている。例えば「SiriusXM」は2017年には54億ドル(約6000億円)の収益を上げたが、印税は5億1000万ドル(約566億円)しか支払っていない。

報告書では他にも、アーティストの収入について次のように指摘している。「インターネットの台頭と物理的な音楽の売上の減少に伴い、2000年から2009年まで、アーティストの収入はほとんど停滞していました。しかし音楽配信サービスとコンサート人気の上昇もあり、アーティストの収入は現在上向いています。第二に、アーティストがより頻繁にツアーを行なうようになるまで、アーティストが受け取る収益の分配率はわずかに下向きの軌道に乗っていましたが、現在は上向いています」さらにシティグループは、いずれはソングライターやパフォーマーがより大きな分配を得るようになると予測している。「これは今後、収益の比重がますますコンサートに移る(つまりレコード会社の役割が非常に小さくなる)ことによって推進されるでしょう。さらには、レコード会社の役目を新たな参入者(最も可能性が高いのはインターネット音楽配信会社)が担うことによって推進されるでしょう」またシティグループは、Spotifyのような音楽配信プラットフォームがコンサート事業に乗り出す可能性もあると指摘している。
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