マキシマム ザ ホルモンが「発刊」した新作『これからの麺カタコッテリの話をしよう』の話をしよう

マキシマム ザ ホルモンが「発刊」した新作『これからの麺カタコッテリの話をしよう』の話をしよう
君はもう手に入れただろうか? マキシマム ザ ホルモンの、映像作品『Deka Vs Deka~デカ対デカ~』以来となる約3年ぶりの新作『これからの麺カタコッテリの話をしよう』を。ちなみにこちら、「リリース」ではなく「発刊」であり、「読み切り漫画+新作CD」というパッケージで、「書店」に並んでいる(帯を書いているのは糸井重里!)。9月に約5年半ぶりとなる新曲“拝啓VAP殿”のMVを発表し、ワーナーミュージック・ジャパンへの移籍を告知していたが、彼らにとって、世間にとって、これほどまでに新しいもの尽くしの作品を生み出すとは! そして、表面的な刺激だけではなく、中身のメッセージやサウンドにも濃厚なホルモン汁を滴らせてくるとは! 本当にホルモンは、こちらの想像を宇宙レベルで超えてくるバンドであると、改めて確信させられた。


重厚な箱を開けると、奥に4曲+ボーナストラック入りの輝くCDが収められている。まずは“maximum the hormone Ⅱ ~これからの麺カタコッテリの話をしよう~”。これは、「亮君は痩せちゃったけど、どういうことなの?」という疑問に対する猛々しい回答……なのだけど、80’sテイストのエアロビが似合いそうなフレーズが挟み込まれていたり、音も言葉も詰め込まれている情報量がハンパない。亮君の想いはヘヴィに爆発しているのだが、ストーリーは緻密に描かれているし、ある種「マメ」なところが表れた楽曲だと思うのは、私だけだろうか?
続いては“G’old~en~Guy”。ナヲちゃんが女神のように歌い上げていたり、ジャジーなフレーズが出てきたり、「DJ kawa」が魂のMCを炸裂させていたり……これまた聴きどころ満載。ミクスチャーとエレクトロをキャッチーに昇華した、ホルモンの新機軸だと思う。
そして“肺脂西班牙<we’re the 俺>”……よくよく読んでみると、“ハイヤニ・スペイン”! そう、かの名曲のセルフカバー。彼らのセルフカバーと言えば『耳噛じる 真打』でも心身を震わされたものだが、この楽曲も恐るべき進化を遂げている。
最後は、MVで聴いた人も多いであろう“拝啓VAP殿”。「ヘドバン&デス声なし」ということで、大いに話題を呼んだが、彼らと同世代の筆者からすると、大好物のポップパンクである。この楽曲にときめいたキッズは、ぜひともポップパンクを掘っていただきたい。これまでのホルモンにちりばめられていた、きらめきの元を見つけられるかもしれないから。


ここまで、CDについてたっぷり書いてきたが、前述したとおり、今作は「書籍」である。パッケージされている、マキシマムザ亮君 監修・脚本の『マキシマムザ亮君の必殺!!アウトサイダー広告代理人』という読み切りマンガも、今作の主役だ。元々はマンガ誌『コロコロアニキ』で連載されており、今作には最終話も先行収録されている。作画を担当したのは藤異秀明。青年マンガらしい画風と物語の中に、腹ペコにはおなじみの情報や人物、そして亮君のディープな知識やメッセージが描かれている。亮君の、音楽に収めきれない「カルチャー愛」が伝わってくるマンガだ。そして、妄想とリアルの線引きがボカされているような仕上がりになっているところもいい。音楽もマンガも、「いろんなところに連れていってくれるもの」だから。呆然とさせられるような読後感も含めて味わってほしい。

今作は単純に「手に入れて嬉しい」、「手元に置いておきたい」ものである。それって、いつの時代もなくならない欲求だと思う。バンドマンでありアーティストでありクリエイターであるマキシマムザ亮君が、そこをシンプルに見つめて、やりたいこと/できることを結集させたものが、今作なのだと思う。そこからは、血の滲むようなことをやれば、時勢とか常識とかぶっ飛ばせるような、とんでもないものができあがるんだぜ――そんなメッセージも見えてくるようだ。(高橋美穂)
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