日本でも大ヒット公開中の映画『ボヘミアン・ラプソディ』だが、クイーンのブライアン・メイが、ロジャー・テイラーと共に同映画のあるシーンをカットから守ったと明かしていたことが分かった。
「Classic Rock」のインタビューをもとに「Ultimate Classic Rock」が伝えたところによると、劇中でフレディ・マーキュリーがバンドからの離脱の意向をメンバーに伝えるシーンはカットされる予定だったのだという。
これはちょっとした秘密なんだが、もう少しのところでカットされるところだったんだ。映画の尺を短くしなければというプレッシャーがあるというそれだけの理由でね。
でも、僕ら(ロジャーとメイ)はそのシーンを絶対に残すようにと主張して戦った。なぜならフレディが家族を離れるという、メンバーにとって耐え難い瞬間だったし、身を切られるようなリアリズムを伝えるべきだと思ったからね。
結果的には該当のシーンのキャストの演技に感銘を受けたとのことで、次のようにもコメントしている。
素晴らしい演技だったよ。しかも、シーンのほとんどはアドリブだったにもかかわらずね。あのシーンを観た時、「すごくフレディだな」と感じた。
煙草をふかしながら物静かに喋り、バンドを離脱する意思をはっきり言葉にしたくなさそうだった。最終的には型に決まったような言い方で告白した訳だが、観た人は皆、フレディの内の不安を読み取れたと思うよ。
なお、予告編ではメイを演じたグウィリム・リーがバイオリンの弓を使ってギターを弾くシーンが収められているが、これについては以下のように釈明している。
面白いことに、予告編を制作する人達は、独自にストックしてる映像から作品を作るんだ。
だから、予告編には映画に含まれないシーンが登場して、バイオリンの弓のシーンも色々と試していた時の映像の一部なんだ。その時に私も他のメンバーも現場にいなくて、問題のシーンを見た時に、「それは事実とは違う。ジミー・ペイジがやったことであって、僕はやっていない。やったっていうことにするのも嫌だ」って言ったのさ。
でも予告編の制作チームは気に入ったんだね。私が言えるのはそれだけだ。ただ、あのシーンは本編には収録されていないからね。
クイーンの巻頭特集記事は、『ロッキング・オン』12月号に掲載中です。