昨年11月のベルリン公演をもって、約半年に渡って行われた最新ツアー「eXPERIENCE + iNNOCENCE」ツアーの全日程を終了したU2。
『ロッキング・オン』2月号では、同ツアーのことはもちろん、最新作『ソングス・オブ・エクスペリエンス』から『アクトン・ベイビー』、さらにバンド初期のツアーについてまで語った、ボノとジ・エッジの最新インタビューを掲載している。
インタビュー冒頭、ツアー最終日の公演にちなんで、ベルリンという街がバンドにとってなぜ特別なのかを、ジ・エッジが以下のように答えている。
僕たちとドイツの関係は、キャリアのごく初期に遡る。誰もU2なんて知らなかった頃だ。
ハンブルクの小さなバーなんかで演奏して、最初は車でベルリンまでやってきた。マネージャーのポール・マクギネスが運転するバンで。そして僕たちはベルリンに魅了された。
(中略)再訪の機会が巡ってきたのは、アルバム『アクトン・ベイビー』を録音するスタジオをアイルランド以外で探していて、ハンザ・スタジオを訪ねた時だった。
僕たちにとっては神話のようなスタジオさ。デヴィッド・ボウイ、イギー・ポップ、ニック・ケイヴの作品が生まれた場所だから。入ってみると、広い宴会場のような空間で……20年代、30年代から時が止まっているかのようだった。
その場と音に惚れ込んで、何週間もかけてレコーディングしたよ。だから作品にはベルリンの影響が色濃い。タイトルはもちろん(Achtungはドイツ語で“注意”の意)、1曲目の”ズー・ステーション”は動物園駅のこと。MVやZOO TVツアーで使ったトラバントとか。
また、最新アルバム『ソングス・オブ・エクスペリエンス』について、ジ・エッジは「極めて正直かつ個人的に自分たちの状況を曝け出そうという試み」と作品について説明したのち、アルバムを通して彼らが大事にしていることを以下のように続けている。
(中略)大事なのは、僕たちがそうしたテーマにしっかりと向き合っているということ。神聖ぶるつもりはない。僕たちや、特にボノは「僕たちはお前らよりも上だ」と言っているように見られることも多いが、それは事実と程遠い。
このアルバムは自分たちのありように対してとても開けっぴろげで正直だと思う。ただ、そのために必死の抵抗も辞さない、というわけではない。信じることを前に進めようという固い決意は、それとはまったく別のものだ。
僕たちは喜びをもって積極的抵抗とする。今回は前向きで喜びに満ちた作品にしようと決めていたんだ。だって、最終的には明るい未来を強調したいじゃないか。そして、そこへ向かう道を探す力になりたい。状況の悪さを憂鬱な曲にして今の政治家たちの文句を言うよりはいい。そういう話はどの新聞にも書いてあって、みんなもうわかっているから。必要なのは前に向かう道をはっきりさせること。
さらに、アルバムの大きなテーマでもある愛について、年月を経てその認識に変化はあったか、と訊かれたボノは、強い決意を感じさせながら以下のように語った。
僕たちは愛を扱う。ザ・ビートルズとU2の一大関心事、それは愛だ。
彼らには“愛こそはすべて”があり、僕たちは“ラヴ・イズ・ビガー・ザン・エニシング・イン・イッツ・ウェイ”を書いた。大それた話だが、正直、僕から最後にあげられるものがあるとしたら、1つの真実として、僕がいなくなった時のために僕の子供たちに……あるいは誰の子供でもいい、1つだけ伝えるとしたら“愛は行く手を遮る全てを凌駕する”がそれだ。じゃなかったら、“車の鍵を返せ”。
インタビューでは他にも、ベルリンでの体験から作られた楽曲にまつわるエピソード、また、世界情勢での出来事がいかに自分たちと密接に関係しているかなどが語られている。
U2というバンドが最新アルバムに込めた想いとは? そしてツアーを終えた彼らは、今後どのようなアクションを起こすのか。ぜひ『ロッキング・オン』2月号を確かめてみてほしい。
U2のインタビュー記事は現在発売中の『ロッキング・オン』2月号に掲載中です。
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