昨年10月にアルバム『ヒステリア』を完全再現した来日ツアーを成功させ、12月にはベスト・アルバム『ザ・ストーリー・ソー・ファー:ザ・ベスト・オブ・デフ・レパード』をリリースしたデフ・レパード。
『ロッキング・オン』2月号では、今回の来日ツアーの感想を始め、名盤『ヒステリア』や最新ベストについてまで、ギタリストのフィル・コリンに訊いたインタビューを掲載している。
大阪、名古屋、東京で行われた『ヒステリア』完全再現ライブだが、率直にどんな感想を持ったのだろうか。
これまでやった日本公演の中でも最上級の反応だったと思う。みんな尋常じゃないほど盛り上がってたね。
まず、ライブでアルバム通りの曲順でやったことなんか一度もないし。“シュガー・オン・ミー”が5番目なんて、そんな順番でやるわけないだろっていう。
でも実際すごくうまくいったんだ。なんと言ってもクラシック・アルバムだからね。ライブでは本当に楽しませてもらってる。あれだけ古い作品を最新のやり方で再現するわけで、こういうツアーは初めてだけど非常に興味深いよ。
また、多くのハード・ロック・バンドがテクニック重視な傾向に陥りがちな中、「良質な楽曲があってこそ」という姿勢で活動してきたデフ・レパードだが、今も楽曲が優先なのだろうか。フィルは以下のように答えた。
間違いなくそうだね。俺たちは他の連中と同じようにはなりたくなかった。そんなの退屈だから、他とは少し違う、特別な存在になりたかったし、より柔軟でいたかったんだ。
受けてきた影響も、ロックしか聴かずにいるような他のバンドとは違ってたしさ。俺個人で言えば『ヒステリア』当時は、プリンスとかフランキー・ゴーズ・トゥ・ハリウッドとか本当に色々と聴いてたし、70年代のデヴィッド・ボウイやT・レックスには言うまでもなく影響を受けてる。あと、ポリスやクイーンもね。
そうやって違う形式の音楽を取り入れるっていう点で俺たちは他とは違ってた。そういう要素は必ずしも直接的に反映されてるとは限らないけど、でもロックという型に固執し続けていたら、そのうち退屈なものになってしまうって。
そんな楽曲の対する大きなプライドを持ちながら誕生した、名盤『ヒステリア』だが、制作中のエピソードについて以下のように語ってくれた。
『ヒステリア』をレコーディングしてた時、プロデューサーのマット・ランジに、どうしてこれほどレコーディングに時間をかけるのか?って尋ねたことがある。
そしたらマットは振り向きざまに「そうすりゃ20年後も君らのことをみんなが話題にするからだ」って言ったんだ。あれから31年後、今こうしてあの作品について話してるわけで、彼は正しかったね。
(中略)そうやって5歳児から90歳の人まで聴けるようなものを作ろうとしたんだ。そこが大きかったと思う。俺たちは、ごく狭い年齢層だけに向けてアピールするんじゃなくて、超幅広い層に届くものを作ろうとした。それだけさ。
インタビューでは他にも、今回の『ヒステリア』に続く他アルバムの完全再現ライブのことや、長いキャリアを経たからこそ言える若いアーティストへの助言についてなども熱心に語っている。
今年は「ロックの殿堂」にレディオヘッドらと共に殿堂入りすることが決定しているデフ・レパード。
色あせないハード・ロックへの熱い想いを、ぜひ『ロッキング・オン』2月号のインタビューで確かめてほしい。
デフ・レパードのフィル・コリンへのインタビュー記事は現在発売中の『ロッキング・オン』2月号に掲載中です。
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