モトリー・クルー&デフ・レパード、灼熱のハードロックナイトを完全レポート!

モトリー・クルー&デフ・レパード、灼熱のハードロックナイトを完全レポート! - rockin'on 2024年1月号 中面rockin'on 2024年1月号 中面

現在発売中のロッキング・オン1月号では、モトリー・クルーデフ・レパードの来日ライブレポートを掲載しています。
以下、本記事の冒頭部分より。

文=増田勇一


●MÖTLEY CRÜE
ヒットチューンから最新ナンバーまでをくり出す怒涛のロックンロールショー! このままモトリー・クルーは現役続行か!?

11月4日、Kアリーナ横浜。午後4時半というロックンロールには早すぎる開演時刻を前に場内に流れ始めたのは、モーツァルトの“レクイエム”。祭りの幕開けに死者の安息を願う曲を流すというのが、いかにもモトリー・クルーらしい。

そして場内が暗転すると、報道映像めいた扇動的なイントロダクションビデオが流れ、「THE FUTURE IS OURS」という文字がLEDスクリーン上に点滅する。未来は俺たちのもの。一度は自らの手で歴史を閉じていながら、そんなの知ったことかと涼しい顔で再始動に至っているこのバンドの不遜さを敬遠する向きもあるだろう。ただ、それもまた彼らの魅力のひとつである。

そしていきなり炸裂したのは“ワイルド・サイド”。1987年発表の第4作『ガールズ、ガールズ、ガールズ』の幕開けを飾っていた馴染み深い楽曲にオーディエンスはすぐさま同調し、目の前に姿を現したロックスターたちの雄姿に歓喜の声をあげる。4人に花を添えているのはコーラスを兼ねた2人の女性ダンサーだ。この時点で彼らは、未来はともかくKアリーナを埋め尽くしたオーディエンスを手中にしていた。
 
80年代のハリウッドの匂いが一気に充満する中、それに続いたのは、先頃40周年記念盤が登場したばかりの第2作、『シャウト・アット・ザ・デヴィル』の表題曲。しかも厳密に言えばその1997年バージョンだ。ニッキー・シックスがインダストリアルなどにも傾倒していた当時の嗜好が反映されたその感触が、新ギタリストであるジョン5のプレイスタイルにもよく似合う。(以下、本誌記事へ続く)


●DEF LEPPARD
デフ・レパード博物館へようこそ――往年の名曲を惜しげもなく披露した感服のステージ

インターバルを挟んでこの夜の後攻を務めたのはデフ・レパード。

今回の二夜公演は夜ごとに出演順が入れ替わる形で行なわれたが、彼らが後に登場する第二夜の観覧を筆者が選んだのは、モトリー・クルーが暴れ散らかした後よりも、デフ・レパードがきっちりとショウを完結させるのを見届けたうえで帰路に就くほうが好ましい余韻を味わえるのではないかと期待したからでもあった。

モトリー・クルーとは対照的に、彼らのステージは最新オリジナル作にあたる『ダイアモンド・スター・ヘイローズ』の幕開けを飾っていた“テイク・ホワット・ユー・ウォント”でスタートした。とはいえそこに「俺たちは新曲で勝負するぞ!」といった過度な意気込みを感じさせられたわけではない。往年の代表曲たちと噛み合わせの良好なこの曲は、ごく自然にベスト選曲のライブへの導入役を務めていく。

考えてみれば「欲しいものを持っていけ」という表題も、そうしたライブのオープニングには似つかわしい。中盤に差し掛かる頃にはふたたび同作から“キック”が披露されたが、この曲についてもやはり、新鮮さと既聴感のようなものが同居している。

彼らの音楽が変化を重ねていながらも本質的には変わっていないからこそ、そして彼ら自身がその本質について理解を深めているからこそ、こうした芸当が成り立つのだろう。(以下、本誌記事へ続く)



モトリー・クルー&デフ・レパードの記事は、現在発売中の『ロッキング・オン』1月号に掲載中です。ご購入はお近くの書店または以下のリンク先より。

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