第66回グラミー賞、主要部門のノミネーションは女性アーティストがほぼ独占! 栄冠は誰の手に?

第66回グラミー賞、主要部門のノミネーションは女性アーティストがほぼ独占!  栄冠は誰の手に? - rockin'on 2024年1月号 中面rockin'on 2024年1月号 中面

現地時間11月10日に第66 回グラミー賞のノミネーションが発表された。今年は、「テイラー・スウィフトオリヴィア・ロドリゴ」が予想されていたけど、何が起きるか分からないグラミー賞なので、“驚き”の「女性アーティスト年」となった。なにしろ、アルバム賞、レコード賞、楽曲賞の主要全3 部門で、8枠中7枠が女性の前代未聞の結果となったから。2018年、グラミー賞主催団体会長が「女性はもっと頑張れ」と発言し大反発を食らったことを思い出さずにいられない。

シザが9部門で最多ノミネーションされた他、フィービー・ブリジャーズの7部門に、テイラー・スウィフト! オリヴィア・ロドリゴ! ビリー・アイリッシュマイリー・サイラス! ボーイジーニアス!などヒット曲が多い、または評価の高い、今を代表する女性アーティストなどがノミネートされた。

加えて、今年最大のヒットを記録した女性監督グレタ・ガーウィグによる映画『バービー』のサントラが11部門にノミネートされていることも特筆すべきだろう。また、今年はロックソング部門も見どころのひとつで、オリヴィアとボーイジーニアスという若手女性ロックアーティストとザ・ローリング・ストーンズフー・ファイターズというロックアイコンがノミネートされている。この並びだけでも今の音楽シーンを象徴していると思う。

ただし、毎年のことだが首を傾げる結果もあり、主要部門では、カントリー、Kポップ、ヒップホップやラテンも評価は低い。にも拘らず、誰もが驚愕したのが、主要全3部門(計6部門)でいきなりジョン・バティステがノミネートされたこと。当然2022年にアルバム賞を受賞し目が点となった記憶が蘇るわけだが、新作の評価は高くなく売り上げも初週104位でその後は圏外。彼がミュージシャンが尊敬するミュージシャンであることなどが成功の理由としてよく挙げられるが、それで全主要部門に入るのはどう考えても不自然だ。

現地時間2月4日に発表されるグラミー賞の最大の見所は、ビヨンセの例を挙げるまでもなく、最多ノミネートではなく、誰が主要部門を獲るのか?だ。「女性対グラミー賞(のオヤジ)」と言える今年のグラミー賞が2023年の音楽シーンを象徴する結果となるか、7枠にノミネートされたにも拘らず主要部門を獲らない最悪の屈辱になるのか注目したい。日本はWOWOWで2月5日に生中継。 (中村明美)



第66回グラミー賞の記事は、現在発売中の『ロッキング・オン』1月号に掲載中です。ご購入はお近くの書店または以下のリンク先より。

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