ONE OK ROCK“Wasted Nights”の音世界と『キングダム』の物語を繋ぐメッセージについて

ONE OK ROCK“Wasted Nights”の音世界と『キングダム』の物語を繋ぐメッセージについて - Ⓒ原泰久/集英社 Ⓒ2019映画「キングダム」製作委員会Ⓒ原泰久/集英社 Ⓒ2019映画「キングダム」製作委員会
映画『キングダム』の公開がいよいよ目前に迫ってきた。

ご存知の通り、中国・春秋戦国時代を舞台に、亡き親友・漂の想いを背負い未来の大将軍を目指す戦災孤児=信と、弟に都を追われながらも中華統一を志す(漂と瓜二つの)若き王・嬴政(=後の秦・始皇帝)を巡る物語を描く同名漫画を原作とした今作『キングダム』。
山﨑賢人(信)&吉沢亮(嬴政)をはじめ、長澤まさみ/橋本環奈/本郷奏多/満島真之介/阿部進之介/深水元基/六平直政/髙嶋政宏/要潤/橋本じゅん/坂口拓/宇梶剛士/加藤雅也/石橋蓮司/大沢たかおといった豪華出演陣の名演・怪演が幾重にも織り重なって、野望と理想が入り乱れるドラマを雄大な広がりとともに編み上げることに成功している。

そして――映画の最後、そのスケール感を音楽の形でさらなる壮大な次元へと導いているのが、ONE OK ROCKによる書き下ろし主題歌“Wasted Nights”だ。


すでに最新アルバム『Eye of the Storm』の重要曲としてこれまで何度も胸震わされてきた、ハイパーな覚醒感に満ちたダイナミックなバラードナンバーの“Wasted Nights”だが、実際に『キングダム』試写で体感したこの楽曲の訴求力は別世界。
極限まで研ぎ澄まされたメロディ&サウンドとともにTaka(Vo)が歌い上げる、《No more wasted nights》、《Don’t be afraid to dive/何もせずはもっと怖い/These moments remind us why/ここで生きる意味を》といったフレーズの数々――今この時代を生きる僕らの憂いと迷いを抱き止めてロックの彼方へ導くような言葉がそのまま、戦国物語の巨大なスペクタクルと地続きのものとして鳴り渡っている。
どんなに熾烈な歴史でも、それを動かすのは人間一人ひとりの意志と情熱である――という核心的な真実を、一点の曇りもないサウンドスケープとともに突き上げてみせるかのように。

映画『キングダム』の松橋真三プロデューサーは“Wasted Nights”に寄せたコメントの中で、同作品の脚本作りを始めた2015年の段階でONE OK ROCKに主題歌をオファーしていたことを明かしていた。
「『キングダム』には『強い夢と志が自分を作り、そして世界を変えていく』という大事なメッセージが内包されていると思っています。そんなメッセージを世界に通じる生きた言葉で素晴らしい楽曲にしてくれるのは彼らしかいないと思っていました」(同コメントより)。
『35xxxv』から『Ambitions』へ――つまり「より強靭で壮大なロック」へと向かうべく自らを再構築しようとしていた2015年のONE OK ROCKはまさに、新たな闘いの地平に立つ冒険者そのものだった。映画『キングダム』とONE OK ROCKが共鳴し合ったのは、他ならぬ必然そのものだったのだろう。

Taka自身も「映画の壮大さに負けないような曲を書いたつもりです」とコメントを発表していた“Wasted Nights”。その真価はぜひとも「映画主題歌」として劇場で堪能してみていただきたい。映画『キングダム』、4月19日(金)公開。(高橋智樹)

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