有り余る音楽的才能で音楽史を駆け抜けた“ロケット・マン”、エルトン・ジョン――放埓の日々と真実の愛を語る決定版インタビュー!

有り余る音楽的才能で音楽史を駆け抜けた“ロケット・マン”、エルトン・ジョン――放埓の日々と真実の愛を語る決定版インタビュー! - 『rockin'on』2019年11月号より『rockin'on』2019年11月号より

飛行機に乗っていて、アルプス山脈の上空を通過すると、『僕がこれまでに吸ったコカイン全部を集めると、この山くらいの量になるのかな』と思うことがあるね。


世界各地でヒットを博した伝記映画『ロケットマン』は、83年の曲“アイム・スティル・スタンディング”に乗せて、リハビリを終えてエルトン・ジョンが再起を宣言する場面で幕を閉じる。だが実際に彼が長年の依存癖を克服したのは90年のこと。これはそのわずか5年後、アルバム『メイド・イン・イングランド』の発表を経て行われたものだ。それでいて実にあっけらかんと壮絶な放蕩生活を回想しているのは、エルトンが充実した5年間を過ごし、過去と決別できていたからなのだろう。何しろ92年に復帰アルバム『ザ・ワン』を大ヒットさせた彼はロックの殿堂入りを果たし、音楽を手掛けた映画『ライオン・キング』も破格の成功を収めた。また正式に同性愛者としてカムアウトしてから間もない93年に、生涯の伴侶となるデヴィッド・ファーニッシュと出会うなど、次々にポジティブな出来事が起きていた。そんな“アフター”に対する“ビフォー”を語るエルトンの言葉は、『ロケットマン』の余白を埋めてくれてもいるし、その後の四半世紀の人生を踏まえて読むといっそう感慨深い。そう、さらにたくさんの音楽を生み、自分の体験を活かして後輩を助け、性的少数者の社会的認知度を高めてきた人生を。「生きていてくれて本当にありがとう」と、機会があれば伝えたいものだ。(新谷洋子)



映画『ロケットマン』の見どころを紹介した記事は以下。

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