この記事では、入れ替わりの激しいアイドルシーンの中で、今なお独自のルートで走り続けているグループの魅力を5つのテーマに分けて考えてみたい。
①めまぐるしい展開&中毒的な早口でんぱソング
ライブ&バー「秋葉原ディアステージ」出身の彼女たちは、「萌えきゅんソングを世界にお届け」をキャッチフレーズに活動。様々なタイプの楽曲を持つでんぱ組.incの中でも、デビュー当時から一貫されているのは、BPM速めの曲に情報量の多い歌詞を乗せ、メンバー十人十色の個性的な声色で歌われる唯一無二の「でんぱソング」だ。中でも、 “でんでんぱっしょん”など多くの代表曲を手掛けており、グループにとって欠かせないコンポーザーであるWiennersの玉屋2060%による提供曲はその特徴がもっとも色濃く出ていると言っていいだろう。“サクラあっぱれーしょん”、“プレシャスサマー!”、などに見られる、1番のサビ終わりと曲の最後のサビ終わりに転調され、もう一段階聴き手を盛り上げる構造はサービス精神旺盛なでんぱ組.incの楽曲の最たる例だ。また、その流れを汲んだ中で今年、さらに進化を見せた楽曲といえば、清竜人による提供曲“子♡丑♡寅♡卯♡辰♡巳♡”だろう。
カラフルな音使いがされたトラックをバックに、まさに「早口言葉」並みの歌いだしはインパクト大。聴いているだけで元気をもらえるような楽曲たちだ。
②まるで劇を見ているような個性的で激しいダンス
メンバーは「でんぱ組.incはライブが命」といった類の発言を度々しており、ライブを観てもらえれば大丈夫、という自信を持っている。実際、その振り付けもまたユニークだ。デビューから多くの楽曲を、メンバーの古川未鈴が直々にオファーしたYumikoが振り付けており、曲の持つストーリーや世界観を現した踊りはファンであるかどうかの前に「作品」として惹きつけられるものばかり。例えば“Dear☆Stageへようこそ♡”では楽曲に出てくる「田中」という人物を眼鏡をかけていることで表し、その眼鏡をメンバー一人ひとりが立ち代わりにかけていくことで曲の世界を表現。“でんでんぱっしょん”では、新体操のリボンを巧みに操り、“キラキラチューン”では1曲の中でメンバー同士が喧嘩をして仲直りするまでを「振り付け」として詰め込んでいたり、と挙げればキリがないほど曲ごとに、観客の目を留めさせるフック的な役割をする動きが入っている。踊りの概念にとらわれない「劇」のようでありながら、複雑で激しいダンス。メンバーそれぞれが違う動きをすることも多く、ステージの隅から隅まで楽しめるため、でんぱ組.incのライブは何度観ても飽きない。③ライブにおけるファンとのインタラクティブなつながり
そんなライブにおいて、ファンとのインタラクティブなつながりは、ほかのアイドルに比べても目を見張るものがある。曲でのコールや、サイリウムを振る「オタ芸」など、ライブ定番曲であればあるほど、会場での一体感が凄い。規模が大きくなると、こういった一体感は薄くなってしまいがちなものだが、会場が小さいライブハウスでも、大きなホールでも、決してファンの掛け声など熱量が変わらないのは、前述のようにお客さんと距離の近い店舗発のアイドルであるところの強みだろう。“キラキラチューン”ではファンが考えた間奏での口上が自然に広まっていき、現在では曲中、スクリーンに口上の文言が「公式」に映し出されたりと、メンバーやスタッフとファンとの間には独自の素晴らしい信頼関係が成り立っている。