お正月特別企画! ロッキング・オンが選ぶ2019年間ベスト・アルバムTOP10を発表!(第4位)

あけましておめでとうございます!

2020年を迎えたこのタイミングで、ロッキング・オンが選んだ2019年の「年間ベスト・アルバム」上位10枚を、10位〜1位まで、毎日2作品ずつ順に発表していきます。

年間4位の作品はこちら!

【No.4】
『アニマ』
トム・ヨーク



現時点でソロの集大成

トムらしい、そしてトムにしか作り得ない美意識に貫かれたソロ3作目。これの前が映画『サスペリア』のための作品だったので純粋なソロ作としては約5年ぶりとなるのだが、同時に制作された映像作品も含め非常にビジュアル的、かつ基本的にはコンセプチュアルなアプローチでありながら、ダンス的なトラックやビート感を持ったものなど、イマジネイションが豊かに広がるアルバムとなっている。

アルバムの詳細については、リリース時にたっぷりと語らせて貰ったのだが、あのときはついに聴けた、そしてドリーム・カメラというコンセプトそのものの面白さや各トラックの流れをまず受け止めることが先に立ち、やや圧倒されるばかりで終わっていた。だが、時間が経って聴き込むにつれ、さらに丹念に作り込んでいった部分が見えてきて、より深い感興に浸っている。

聴けば聴くほど細部が立体的に浮かび上がってきてスリリングなのだが、それは例えば油絵を仔細に見ていくと、細かい筆さばきや絵の具の塗りがわかり、そこに込められていく作者の意図が身近に感じられてくるような感触に通じる。

ナイジェル・ゴドリッチと共同でループやサンプリングの音源を再編集したり、コラージュしていき歌を付けていったりの作業が繰り返されていくのはこれまでと同様なわけだが、レディオヘッドフィル・セルウェイやアトム・フォー・ピースのジョーイ・ワロンカーも加わるトラックがあったりロンドン・コンテンポラリー・オーケストラとやったりと、多彩な出会いの中で、それにふさわしい曲調が盛り込まれている。

数年前からライブで披露されていた曲なども、ここならではの新たなアプローチで収められているのだが、そのことの必然性や説得力をアルバムとして持っており、そこらのスケール大きな構成力は、この人だけの才能だろう。またこれまで培ってきたミニマルなエレクトロ・サウンドはもちろんのことフュージョン的なニュアンスを持ったものなど、音楽性は異なっていても、すっきりとトムのこれまでの美学に収斂してアルバムとしての完成度を高めているのはさすが。ジャケットのアートワークも素晴らしく、限定公開されたポ
ール・トーマス・アンダーソン監督の短編映画『ANIMA』も含め19年のトムにふさわしい作品だ。(大鷹俊一)

お正月特別企画! ロッキング・オンが選ぶ2019年間ベスト・アルバムTOP10を発表!(第4位)





「年間ベスト・アルバム50」特集の記事は現在発売中の『ロッキング・オン』1月号に掲載中です。
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