単なる「復活」を大きく翔び超えたザ・ストロークスの最新インタビュー。「ロックンロールに未来はあるのか?」の問いに、『ザ・ニュー・アブノーマル』を突きつける!

単なる「復活」を大きく翔び超えたザ・ストロークスの最新インタビュー。「ロックンロールに未来はあるのか?」の問いに、『ザ・ニュー・アブノーマル』を突きつける!  - 『rockin'on』2020年6月号より『rockin'on』2020年6月号より

契約書にサインしたその日から、クールな創作活動と、巧みなマーケティング戦略の間で格闘が繰り広げられてきた。や、これはダンスだね。今、芸術性やクオリティそっちのけで、ポップ・ミュージックが王様になっているのはそのせいだよ(ジュリアン)

いまだにファースト『イズ・ディス・イット』の魅力は特別だ。未知への冒険心と、根拠不明ながらの絶対的な自信、何よりも吐き出した音への確信etc etc、新しいバンドが持つべきすべてがそこには詰まっている。と同時に、さまざまな音の歴史や要素が自然に盛り込まれているのに、計算高さはかけらもないから魅力の核がまったく風化することはない。そこがポイントだ。

今回のこのインタビュー原稿で改めて、イギリスでデビューしたころ、レディング・フェスティバルはおろか、NMEすら知らなかったという事実を知ると『イズ・ディス・イット』の持つ底抜けの熱気や思いの源泉がわかる気がする。音楽以外はいっさい関係ない、という地点から生まれたのがあのアルバムなのだ。

そこからもう20年近く経ち、ここにも書かれているようにグループには本当に多くのドラマがあった。ドラッグ、アルコール中毒、メンバー間の齟齬と対立、どれも古典的なロック・バンド・ヒストリーそのままだし、ニューヨークの出自ということを考えるとニューヨーク・ドールズを始めとして、さまざまなバンドたちのドラマが浮かんでくる。そんな物語を養分にしてバンパイアのように生きてきたのがあの街であるが、その00年代を輝かせ、また時に曇らせてきたのがストロークスのアルバムたちでもあった。

正直、10年代の彼らは、個々のトラブルやソロ・プロジェクトが重なりストロークスというバンドにもう固執しないのかなと思わされたりもしたが、決してそうではなかったのを示してくれたのが新作『ザ・ニュー・アブノーマル』だ。

アルバム・タイトル、バスキアを使ったカバー・アート、意欲的な楽曲とサウンド・デザイン、どれも「新生」を強く意識させられる。自分たちがどこから来て、どこへ行こうとしているのかを明確に示すトラックの数々に触れていると、『イズ・ディス・イット』の延長上に立つ傑作と確信した人も多いはず。

ポリティカルなメッセージも、あの街を背景としたバンドならば当然だし、多くの辛い経験値は、これからは多様な魅力に変換されていくだろう。7年ぶり、ようやく新しいアルバムを聴いたばかりだというのに彼らが繰り広げる20年代の活躍への思いが膨らむが、それを確信させてくれるインタビューだ。(大鷹俊一)



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